2018 Fiscal Year Research-status Report
Renoprotective effect of lansoprazole on acute kidney injury
Project/Area Number |
17K17066
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
川嶋 秀治 和歌山県立医科大学, 医学部, その他 (00597198)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 急性腎障害 / シスプラチン腎症 / 虚血再灌流障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度においてラットのシスプラチン腎症モデルと虚血再灌流モデルの確立のための実験を施行し,シスフプラチン腎症においてはシスプラチン5mg/kg/dayではday3をpeakとしてクレアチニンや尿素窒素の上昇を認めた。シスプラチン10mg/kg/dayではday3で半数のラットが死亡するため,シスプラチン障害が強く評価困難と判断した。そのため,本実験にはシスプラチン5mg/kg/dayを用いて行うこととした。 虚血再灌流モデルにおいてはまず片側腎臓摘出術(右側)を施行後,1週間の安静期間をあけた後に虚血再灌流(左側)を血管クランプで30分間クランプを行った。 計画予定通りに片側腎臓摘出術1週間後の血液検査では既報(Hauser P et al.KI,2005)と同様に血清Creの上昇はに認めなかった。しかし,虚血再灌流後1日目の血液検査で著明な腎機能障害を呈し,虚血時間を調整するも腎機能障害が高度のためランソプラゾールの保護効果を検討するのが難しいと判断した。 現在も腎障害モデルの確立を進めており,早急に腎障害モデルの確立を行いたいと考えている。場合により片側腎臓摘出術を両側虚血再灌流障害への変更も検討している。 当初の予定とは異なるがNrf2ノックアウトラットの作成も並行して行っており,可能であればノックアウトラウトでもランソプラゾールの保護効果を検討していく予定である。 大学病院としての臨床業務と教育業務を行っており,実験計画が遅延しているが,シスプラチン腎症モデルを中心に速やかに研究計画を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
急性腎障害モデルとして2種類のモデル(虚血再灌流障害,シスプラチン腎症)を検討しており,虚血再灌流障害が既報と比較すると高度の腎機能障害を呈するため,虚血再灌流障害の確立のために更なる条件検討が必要と考える。虚血再灌流障害に関しては追加検討を行うも一定した腎障害モデル作成が困難であり,障害度の低くすることでバラツキも多くなるため虚血再灌流障害を用いたランソプラゾールの腎保護効果は検討が難しいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
虚血再灌流障害の条件検討を行い,ランソプラゾールの腎保護作用を評価可能な適切な腎障害モデルを作成していく。しかし,平成30年度の追加検討では虚血再灌流障害による一定した腎障害モデルは作成が困難であり,適切と考えられる障害度では固定間でのバラツキも大きいため,虚血再灌流障害モデルに関しては一時中止とし,シスプラチン腎症に対するランソプラゾールの腎保護作用を検討していくこととする。 また,可能であれば実験計画にはないがノックアウトラットを用いたシスプラチン腎症モデルを作成し,ランソプラゾール投与による保護効果も検討したいと考えている。
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Causes of Carryover |
当初の予定していたモデル作成に時間を要しており,そのため使用額が予定よりも少なくなった。
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