2019 Fiscal Year Annual Research Report
Novel therapeutic strategy for septic multiple organ failure by suppressing NET formation
Project/Area Number |
17K17072
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
加藤 由布 藤田医科大学, 医学部, 特別研究員 (50773412)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | NETs / 敗血症 / リコンビナントトロンボモジュリン(rTM) / 臓器障害 / 多臓器不全 / DIC / NETosis |
Outline of Annual Research Achievements |
Neutrophil Extracellular Traps (NETs)は生体防御において重要な役割を果たす。一方で、過剰なNETs形成は血栓形成や血管内皮細胞傷害の原因になるといわれている。微小血管内での血栓形成による循環障害は、臓器障害の主な原因の1つとして重要視されており、近年敗血症の病態悪化にNETsの関与が注目されている。Thrombomodulin(TM)は血管内皮細胞上に存在し、その役割には抗凝固作用と血管内皮細胞保護作用がある。我々は、TMがNETs形成を抑制することで、敗血症時の臓器障害を防ぎ、生存率を改善できるかもしれないと仮説をたてた。これを検証するために、敗血症モデルマウスでTMによる生存率と各種臓器(肺・肝臓)内のNETs形成、血中のサイトカイン濃度を調べた。マウスに LPSを投与し、72時間生存率が50%となる敗血症モデルマウスを確立した。このモデルに、LPS投与後、リコンビナントトロンボモジュリン(rTM)を投与した。肺と肝臓のNETsを抗MPO抗体と抗ヒストン抗体で免疫蛍光染色し、共焦点蛍光顕微鏡にて観察した。さらにNETsの網目構造を確認するために、走査電子顕微鏡にて観察した。血中サイトカイン濃度はCytometric Bead Array (CBA)で測定した。rTMを投与した群は敗血症モデルマウスの72時間後の生存率を100%に改善した。このモデルにおいて、肺と肝臓でのNETs形成と血中サイトカインの濃度上昇を確認した。このモデルにrTMを投与すると、臓器内のNETs形成を防ぎ、サイトカイン濃度の上昇は抑制された。TMが臓器内でのNETs形成を抑制したことにより、immunothrombosisの拡大を防ぎ、組織障害と微小血管閉塞を防ぐことで、炎症を抑え、生存率が改善された可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] In vitro Evaluation of Linezolid and Doripenem Clearance with Different Hemofilters2020
Author(s)
Hiraiwa T, Moriyama K, Matsumoto K, Shimomura Y, Kato Y, Yamashita C, Hara Y, Kawaji T, Kurimoto Y, Nakamura T, Kuriyama N, Shibata J, Komura H, Morita K, Nishida O
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Journal Title
Blood Purification
Volume: 49
Pages: 295-301
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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