2017 Fiscal Year Research-status Report
急性肝不全モデルにおけるトロンボモジュリン製剤の効果増強作用
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17K17076
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
星野 耕大 福岡大学, 医学部, 助教 (40762266)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 急性肝不全 / 超音波 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウスに対してlipopolysaccharide 4μg/kgとD-galactosamine 600mg/kgを腹腔内投与することで急性肝不全モデルを作成した。 急性肝不全モデルに対してリコンビナントトロンボモジュリン(rTM)をPlacebo、1mg/kg、3mg/kg、5mg/kgの計4群に静脈内投与した。 Placebo群と比較してrTM 1mg/kgはAST、ALTの値に有意な差は認められなかった。rTMが1mg/kg、3mg/kg、5mg/kgとrTM濃度が上昇するにつれて、AST、ALTの値は低下し、rTM 5mg/kg群では1mg/kgと比較して有意にAST、ALTの値を改善させた。つまり、rTMは濃度依存性に肝酵素(AST、ALT)を低下させることが分かった。 また、上記の各群に対してrTM投与後に肝臓に超音波を照射することで、rTM 1mg/kg、rTM 3mg/kgは超音波照射することで超音波を照射しない群と比較して有意にAST、ALTの値を改善させた。rTM 5mg/kgに関しては、AST、ALTの値をさらに低下させたが、超音波照射しない群の値が低いこともあり有意差は認められなかった。 つまり、rTM投与後に肝臓に超音波照射を行うことで、rTMの効果増強作用が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画調書に記載した通りの進行スピードである。
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Strategy for Future Research Activity |
肝臓の摘出を行い、肝臓の染色、ELISA法を用いた肝臓内のNF-kB p65、TNF-α、rTMの想定を行う。 上記によって急性肝不全モデルに対するrTMの作用機序を解明するとともに、超音波照射によってrTMの効果が増強する機序も同様に解明する。 上記の結果が揃った後に、学会発表、論文作成を行い、世間へ公表を行う。
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Causes of Carryover |
肝臓の組織学的検討における実験費、学会発表における旅費、論文作成費用などに使用する計画である。
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