2018 Fiscal Year Research-status Report
急性肝不全モデルにおけるトロンボモジュリン製剤の効果増強作用
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17K17076
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
星野 耕大 福岡大学, 医学部, 講師 (40762266)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 急性肝不全 / トロンボモジュリン / 効果増強 / 超音波 / sonoporation / Phosphatidylserine |
Outline of Annual Research Achievements |
急性肝不全は予後不良な疾患であるが、recombinant human soluble thrombomodulin (rhsTM)は急性肝不全の予後を改善させる報告がある。また、rhsTMは濃度依存性に効果が増強すると指摘されているが、全身の出血合併症のために投与量を増量させることは現実的に困難である。近年、超音波照射は診断のみならず治療の一つとして可能性が広がってきており、我々は超音波による薬剤の効果増強作用に注目した。今回、急性肝不全モデルに対してrhsTMを投与した後に超音波を肝臓に照射することでrhsTMの効果増強作用を検討した。 方法としてlipopolysaccharide (LPS)/D-galactosamine (GalN)による急性肝不全モデルマウスを用いて、LPS/GalN投与から30分後にrhsTMを尾静脈投与した。さらに超音波を照射するUS群においてはrhsTM投与後に肝臓へ超音波を照射した。 結果としてAST、ALTに関しては、rhsTM 1mg/kg+US群は1mg/kg単独群より有意に低下を認めた。また、HMGB1に関しても同様にrhsTM 1mg/kg+US群は1mg/kg群より有意に低下を認めた。肝臓内のTNF-α、rhsTM濃度は超音波照射による影響を認めなかった。 上記の結果より急性肝不全モデルにおけるrhsTMは、超音波照射によってrhsTMの効果増強作用が認められた。一方で超音波による薬剤の効果増強に関してsonoporationのメカニズムは否定的な見解となり、Phosphatidylserine externalizationなどの他のメカニズムが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験が予定より遅れたため。
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Strategy for Future Research Activity |
実験はすでに終了し、研究結果を国際雑誌に投稿中である。査読とのやりとりの中で追加実験を求められる可能性があり、その際は適宜対応する予定である。
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Causes of Carryover |
研究結果は国際雑誌に論文投稿中の状況である。そのため、査読とのやり取りの中で追加実験が必要となった際の実験費用ならびに雑誌のオープンアクセス代に費用を用いる予定である。
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