2017 Fiscal Year Research-status Report
メンブレントラフィックからみた歯周病菌の生体バリア破壊機構の解析
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17K17083
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹内 洋輝 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (40572186)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 歯学 / 歯周病 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯肉を覆う上皮細胞が形成する上皮バリアは、宿主が歯周病菌と拮抗状態を維持するために重要な役割を果たしている。近年の研究から、上皮バリアの破綻が感染症や慢性炎症等の疾患の素因となることが明らかとなっている。また、本研究の対象である歯周病菌Porphyromonas gingivalis は歯周組織を構成する歯肉上皮組織に侵入することにより、局所で長期感染を図っている可能性がある。しかし、P. gingivalis による上皮組織への侵入機構、および本菌の細胞間侵入に対する免疫応答等について不明な点が多い。 これまでの研究では、歯肉溝上皮における細胞間結合装置についてはギャップ結合とデスモゾームが観察され、タイトジャンクションは観察されないことが報告されている。しかし、これら細胞間結合を担う責任遺伝子の分析方法はリアルタイムPCRを用いた研究が主であり、改善の余地があると考えられる。また、細胞間バリア構築タンパク質が制御する選択的物質透過性の生理的・病理的な意義については、不明な点が多い。 そこで平成29 年度は、歯肉上皮細胞のバリア機能を司るタンパク質に焦点を当て、どの細胞間結合または細胞間接着分子がP. gingivalis 感染により分解を受けるか、共焦点顕微鏡およびウェスタンブロット法により網羅的に解析した。その結果、タイトジャンクションを構成する1つの分子、および細胞間接着を担う1つの分子を、分解を受ける候補タンパク質として発見した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
<到達度目標> 短期目標は、P. gingivalis 感染により歯肉上皮バリア機能がどのように影響を受けるか、形態学的に観察する実験の条件検討を行うことである。その結果、本研究計画の初年度にP. gingivalis 感染により分解を受ける候補遺伝子が2つ同定できた。 <原因・目標解析>初年度の目標は、本研究課題の達成のために必要であり、困難度も適切であった。 <課題検討>今回の目標管理を通じ、P. gingivalis 感染により分解を受ける細胞間結合または細胞間接着タンパク質を共焦点顕微鏡で形態学的に観察するための方法を、飛躍的に改善することができた。今後の課題は、候補遺伝子にかかる内在性タンパク質、または強制発現させたタンパク質の宿主細胞内局在の精微な違いを観察することにより、各実験のアーティファクトを可及的に除去することである。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30 年度は、初年度に同定した宿主細胞の候補遺伝子につき、タグタンパク質との融合タンパク質を歯肉上皮細胞に発現させ、P. gingivalis 感染による局在の変化を共焦点顕微鏡により観察する。さらに、本菌のどの病原因子が上記候補タンパク質の分解に関与しているのか明らかにする予定である。
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Research Products
(2 results)