2018 Fiscal Year Research-status Report
抗炎症作用を有する新規ビスホスホネートの歯科矯正用アンカースクリューへの応用
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17K17091
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
滝澤 愛子 東北大学, 歯学研究科, 助教 (70754969)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 抗酸化作用 / 破骨細胞 / アディポジェネシス / MPMBP / ビスホスホネート / 抗炎症作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
成長の終了した12週齢卵巣摘出術による骨粗鬆症モデルラットを用い、MPMBPを週1回3ヶ月間皮下に全身投与した実験の解析を進めた。今後アンカースクリューの骨支持強化のためMPMBPを塗布したアンカースクリューをラット骨へ埋入する実験を進めるに当たりMPMBPのメカニクス解明が急務であるため、遺伝子発現の解明を進めた。 ドライアイスエタノールで保存したラット脛骨を、急速凍結後ホモジナイズを行いtotalRNA を抽出した。その後リアルタイムPCR による遺伝子発現の解析を行っている。 組織学的結果と照らし合わせ、骨形成マーカー並びに破骨細胞抑制のマーカーの発現を解析中である。また抗酸化作用、抗炎症作用を持つMPMBPとアディポジェネシス発現との相関も検証中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
成長の終了した12週齢卵巣摘出術による骨粗鬆症モデルラットを用い、MPMBPを週1回3ヶ月間皮下に全身投与したものの解析を進めた。実際ラットにスクリュー埋入を行うに当たり、遺伝子発現の解明が急務になったため先にこちらを進ねることとしたため。 <骨における遺伝子発現> ドライアイスエタノールで保存したラット摘出骨(脛骨)を、急速凍結後ホモジナイズを行い、total RNA を抽出した。その後リアルタイムPCR による遺伝子発現の解析を行っている。 組織学的解明を照らし合わせ。骨形成マーカー並びに破骨細胞抑制のマーカーの発現をみている。また脂肪細胞のアディポジェネシスの発現との相関も検証中である。 また平行して骨へのスクリュー埋入への効果をみるために、使用するスクリューの選択を書籍や実際プロシード社に問い合わせて行った。スクリューはプロシード社のスクリューをラットを用いて使用することを検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後MPMBPの骨へのメカニクスを多方面より検証後、実際にMPMBPのコーティング法を決定していく予定である。方法としては文献的には、ハイドロキシアパタイトへの結合力を利用して、ハイドロキシアパタイトでコーティングして結合させる方法が主であるが、その他に、カルシウムイオン注入によるパミドロネート(Kajiwara 2005 年)、ハイドロキシアパタイトコーテティングとカルシウムイオン注入の併用によるパミドロネート(Yoshinari 2002 年)、ポリ(D,L)乳酸基質によるゾレドロネート(Greiner 2007 年)、電解蒸着によるエチドロネート(Duan 2004年)などの報告がある。本研究ではもっとも主流であるハイドロアパタイトでコーティングして結合させる方法を用いるが、うまくいかない場合は他の方法についても予備実験の際に比較検討を行う。その後、成長終了した12 週齢の正常ラット口蓋に、全身麻酔下で、試作した小型アンカースクリューを植立する。経日的に上顎骨を解析し、生きたままμCT解析 を用い、各パラメーターについて定量評価を行い、顎骨への影響と経時的変化を調べる。力学的評価として、摘出した上顎に植立した状態でアンカースクリューの引っ張り強さ、また撤去時のトルクの大きさについて測定する。また摘出した上顎骨の組織学的・病理学的解析、炎症細胞の発現、血清学的解析、骨における遺伝子発現について行う。
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Causes of Carryover |
MPMBPを全身投与した場合の遺伝子解析を先に進めてメカニクスを解明する必要があるため。
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