2020 Fiscal Year Research-status Report
抗炎症作用を有する新規ビスホスホネートの歯科矯正用アンカースクリューへの応用
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17K17091
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
滝澤 愛子 東北大学, 歯学研究科, 大学院非常勤講師 (70754969)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | MPMBP / 抗炎症作用 / 抗酸化作用 / ビスホスホネート / 下顎頭軟骨 / アンカースクリュー |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は非常勤講師として研究に携わっていたが、コロナの影響でなかなか研究が進まなかった。しかしZOOM等での会議を行い、解析方法や考察を行ってきた。
以前からの研究課題であるin vivo において、成長の終了した12週齢の正常もしくは卵巣摘出術による骨粗鬆症モデルラットを用い、MPMBPを皮下に注射し全身投与が骨代謝に及ぼす影響をまだ解析をしていなかった顎関節について行った。 摘出した下顎骨をμCT を用いた3次元形態計測および骨塩量測定により骨形態及び骨密度の経時的変化を現有するアロカのμCTを用い、各パラメーターについて解析を用いて定量評価を行い、下顎骨への影響を調べた。さらに、組織切片を作製し、歯周組織における骨芽細胞、破骨細胞、線維芽細胞、血管それぞれの染色を行い組織学的に評価した。また、カルセイン、テトラサイクリンを用いた骨の生体ラベリングを行い、非脱灰研磨標本を作成して骨形態計測による定量評価を行った。さらにドライアイスエタノールで摘出骨(脛骨)を、急速凍結後total RNA を抽出し、リアルタイムPCR による遺伝子発現の解析を行った。
以上の解析により以前大腿骨脛骨での結果に比べ下顎頭において骨の添加が顕著にみられ今後さらなる考察が必要なことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は非常勤講師として研究に携わっていたが、コロナの影響でなかなか研究が進まなかった。追加で研究が進められる状況でなかったため、以前からの研究課題であるin vivo において、成長の終了した12週齢の正常もしくは卵巣摘出術による骨粗鬆症モデルラットを用い、MPMBPを皮下に注射し全身投与が骨代謝に及ぼす影響をまだ解析をしていなかった顎関節について行った。以前と同じ研究モデルでの違う部位における解析であったが、以前の大腿骨脛骨での結果に比べ下顎骨において骨の添加が顕著にみられ今後さらなる考察が必要なことが分かった。ひとくくりに全身投与と言っても生体での現れ方は部位によって様々であり、今年度の課題の一つである in vivo において、試作したラット用アンカースクリューを口蓋に植立し、MPMBP をアンカースクリュー骨接合部にコートした場合としない場合についての効果に向けての研究につながる解析となった。
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Strategy for Future Research Activity |
以前からの研究課題であるin vivo において、成長の終了した12週齢の正常もしくは卵巣摘出術による骨粗鬆症モデルラットを用い、MPMBPを皮下に注射し全身投与が骨代謝に及ぼす影響をまだ解析をしていなかった顎関節について行なった成果が今後の研究課題においても有益であった。 現在は実際の歯科矯正の臨床と照らし合わせ、アンカースクリューの埋入のトルク計測の確立、ならびにMPMBPをアンカースクリューへ添付する方法を確立している段階である。特にトルクの確立は、臨床においても脱落を左右する重要な要素のため、ラットの口蓋においても部位により骨密度も異なるため、部位も含めて今後の研究の課題である。本格的に研究を再開できればラットの口蓋への埋入も行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ渦で思うように研究が進められず、また予定していた学会も中止になり行われなかったため。今後オンライン等での学会が開催されれば積極的に情報収集し参加する予定です。
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