2021 Fiscal Year Research-status Report
抗炎症作用を有する新規ビスホスホネートの歯科矯正用アンカースクリューへの応用
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17K17091
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
滝澤 愛子 東北大学, 歯学研究科, 大学院非常勤講師 (70754969)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ビスホスホネート / 抗炎症作用 / 抗酸化作用 / アンカースクリュー |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究により、卵巣摘出により骨量が減少したラットにMPMBPを投与した結果、骨量が増加するとともに骨の機械的性質が改善されることが明らかに なっている。今回の研究では12週齢雌性Sprague-Dawleyラットに1日1回、7日間にわたり、MPMBP(1.2および6.0mg/kg:各群10匹)あるいは0.9% NaCl (コントロール群、10匹)を皮下注射し、MPMBPの正常ラットへの投与が、脛骨の骨形成にどのような影響があるかを検討した。実験開始前後に蛍光骨標識を行ない、屠殺後 micro-CT 解析ならびに非脱灰切片を作成し、HE染色および免疫染色を行った。その結果、正常なラットへのMPMBP投与は、脛骨骨幹端部の骨量と骨密度を増加させ、成長板直下の一次骨梁部においては2本の骨標識線間の幅に有意差はなかったが、緻密な骨が用量依存性に増加しているのが認められ、標識線の蛍光強度が増加していた。さらにmicro-CT解析の結果、骨幹端部の海綿骨密度および機械的強度のパラメーターが増加し力学的強度が有意に増加していた。一方、骨幹部皮質骨の骨膜性化骨部位における標識線間の幅は、MPMBPにより増加傾向を示したが、有意差は認めなかった。骨幹端部におけるカテプシンK陽性細胞の数は有意に減少しており、骨吸収系が抑制されていることが示唆された。MPMBPは骨形成と骨吸収のバランスを正に転化させ、OVXラットへの投与と同様、骨量と骨密度を増加させ、骨の機械的強度を増加させることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染拡大のため、業者からの試薬購入制限、実験制限、移動制限などから通常の研究体制で行うことが困難な時期があった。可能な範囲で研究を進め遅れは最小限にとどめた。
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Strategy for Future Research Activity |
進んでいる部分はさらに加速し、遅れている部分は重点的に進め、研究成果としての学会発表や論文投稿を推進する。
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Causes of Carryover |
感染症の流行のためにオンラインでの議論が多く、実際研究を進めるのが困難であったため。
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