2022 Fiscal Year Research-status Report
抗炎症作用を有する新規ビスホスホネートの歯科矯正用アンカースクリューへの応用
Project/Area Number |
17K17091
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
滝澤 愛子 東北大学, 歯学研究科, 大学院非常勤講師 (70754969)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ビスホスホネート / 矯正用アンカースクリュー |
Outline of Annual Research Achievements |
「歯科矯正用アンカースクリュー」は、歯槽骨または顎骨にミニ・スクリューを埋め込み、歯を動かすための絶対的固定源として用いる(2012 年には薬事承認)。この方法により、従来の矯正治療と比べて、反作用により生じる望まない歯の移動が回避でき、また今まで不可能とされた歯移動が可能になったため、抜歯の必要性の減少、外科矯正治療の回避、治療期間の短縮、顎外固定装置が不要(患者の負担軽減)など、矯正治療領域に多くのメリットをもたらした。しかしながら、欠点として、動揺、脱落、周囲粘膜の感染・炎症にともなう腫脹・疼痛・粘膜の過形成などの合併症を持ち合わせている。文献的報告によると、上顎では 14%、下顎では 19%、総じて 15%が脱落するとされている。一般社団法人日本矯正歯科学会作成の『歯科矯正用アンカースクリューガイドライン』においても、「アンカースクリューの成功率は平均 86.3%であり、原行のシステムで考えられる最善の方法を試みたとしても、脱落の可能性を完全に回避することは困難である。」と述べられているが現在までに明らかにされているのは、解剖学的な植立部位、皮質骨の厚さ、歯肉の厚さ、力学的メカニクスとそれの植立後からの適用時期に関するものである。これをもとにラットへのスクリュー埋入を行いマイクロCTによる解析をすすめている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
矯正用アンカースクリューを用い、皮質骨海綿骨の変化をマイクロCTにより解析し、現在までに明らかにされているのは、解剖学的な植立部位、皮質骨の厚さ、歯肉の厚さ、力学的メカニクスとそれの植立後からの適用時期に関するものである。これをもとにラットへのスクリュー埋入を行いマイクロCTによる解析をすすめている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後解析を進めマイクロCTによる皮質骨海綿骨への埋入部位の変化の解析を進めていく。その過程でどのような変化が起きているのかを、多角的の分析していきたい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍において直接実験室での実験を進める機会が減り、解析やZOOMを使用したミーティングや検討会が多く、実験を進めることが難しかったため。
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