2017 Fiscal Year Research-status Report
新規エナメル芽細胞解析法を用いたMMP20-低分子量G蛋白/細胞骨格系の解明
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17K17100
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
進 正史 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 講師 (70549261)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | エナメル質 / 歯の発生 / マトリックスメタロプロテアーゼ / エナメル芽細胞 / アメロゲニン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではエナメル芽細胞特異的に標識する実験系を確立することでエナメル質形成のメカニズムを解明することを目的としている。この技術を用いてエナメル質タンパクを分解し脱却するMatrix Metalloproteinase-20 (MMP20)とこれに連動する低分子量G蛋白シグナルとエナメル芽細胞の細胞間接着や細胞骨格との分子機構の解析を行う。これらの取組みは、歯の発育障害の病態解明や歯の再生に向けた新しい戦略になることが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
エナメル芽細胞を蛍光標識するマウスの作製が順調に進んでいる。平成29年度予算の一部はこのマウス作製費用に充当した。また、エナメル芽細胞の細胞骨格を解析する実験系の構築も順調に進んでいる。従って、研究計画は概ね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
MMP20欠損マウス及びMMP20過剰発現マウスの歯牙凍結組織標本を作成し、ローダミンファロイジン染色を行いMMP20やRhoと連動するアクチンストレスファイバーの形成動態を比較検討する。MMP20欠損マウス、過剰発現マウス各々のエナメル芽細胞に細胞間接着及び細胞極性に変異が認められるので、細胞骨格系にも異常が予想される。 活性型RhoAはserine/threonine kinaseであるROCK(Rho-associated ptotein kinase)を活性化し、次いでROCKはLIMキナーゼ(LIMK)を活性化する。LIMKはcofilin(アクチン脱重合分子)をリン酸化することでその機能を抑制し、アクチン脱重合を阻害する。従って、野生型、MMP20欠損マウス、過剰発現マウス各々のマウスのエナメルタンパク質を用いて、ROCKの活性化を免疫沈降法により解析すると共に、LIMKのリン酸化への連動を検討する。次いで、これらの中でのcofilinのリン酸化を解析することでアクチン重合との連携を検討する。
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