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2017 Fiscal Year Research-status Report

多機能癌抑制分子CXCL14の頭頸部癌幹細胞の分化促進による癌抑制機構の解明

Research Project

Project/Area Number 17K17112
Research InstitutionKanagawa Dental College

Principal Investigator

陽 暁艶  神奈川歯科大学, 大学院歯学研究科, 特別研究員 (90744954)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2019-03-31
Keywords多段階癌抑制分子 / ケモカインCXCL14 / 口腔癌
Outline of Annual Research Achievements

今後の癌治療において、再発と転移の阻止が患者にとって重要です。癌幹細胞の存在が癌の再発と転移の原因と考えられ、癌幹細胞を制御する方法の開発が望まれています。我々は副作用のない癌抑制法開発の研究過程で、ケモカインCXCL14が生体内に存在する多段階多機能癌抑制分子であることを明らかにしてきました。本申請において29年度はCXCL14の発現レベルの異なる頭頸部癌細胞を用いて、細胞培養系におけるCXCL14の発現増加と幹細胞マーカー、および癌幹細胞マーカーの発現量との関係をRT-PCR 法を用いて検討した。T細胞を欠損するヌードマウス、あるいはT細胞とB細胞を欠損するSCIDマウス皮下にCXCL14の発現量が低い HSC-3-MOCK細胞を移植すると、移植腫瘍の増殖が起こるが、HSC-3細胞にヒトCXCL14遺伝子を導入し、CXCL14の発現量が高いHSC-3-CXCL14細胞の移植では腫瘍の増殖抑制が起こる。HSC-3-MOCK 細胞および、HSC-3-CXCL14細胞を種々の細胞密度で培養し、遺伝子の発現をRT-PCR法で比較すると、HSC-3-CXCL14細胞では癌幹細胞マーカーのCD44v3、 CD44v6、CD44v9の発現が低下していたが、正常細胞でも発現しているCD44standardの発現レベルには両者で差がなかった。また、幹細胞マーカーのNANOG、KLF4、OCT4の発現もHSC-3-CXCL14細胞で低下を示した。正常細胞としてヒトiPS細胞を用いて調べると、NANOG、KLF4、OCT4は高い発現を示したが、CD44v3、 CD44v6、 CD44v9の発現はほとんど検出されなかった。これらの結果からHSC-3細胞において、CXCL14の発現は癌細胞の癌幹細胞マーカー、幹細胞マーカーの発現を制御していることが考えられた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

口腔癌細胞においてケモカインCXCL14を強制発現させたHSC-3-CXCL14細胞とコントロールのHSC-3-MOCK細胞を種々の条件で培養し、細胞の遺伝子発現をRT-PCR法により調べることにより、ケモカインCXCL14を強制発現させたHSC-3-CXCL14細胞では癌幹細胞マーカーと幹細胞マーカーの発現が抑制されることが明らかになった。これらの結果により多段階癌抑制分子CXCL14の作用が癌幹細胞を標的としていることが考えられた。

Strategy for Future Research Activity

昨年度の研究から口腔癌細胞においてCXCL14を発現させると幹細胞マーカー、および癌幹細胞マーカーの発現低下が起こることが示された。これらの結果をさらに他の細胞で確認するために、HSC-3 細胞の内在性CXCL14遺伝子をCRISPR/Cas9法で欠損させた細胞クローン(HSC-3-1A)を作成した。30年度は1.HSC-3-1A、HSC-3-MOCK、HSC-3-CXCL14細胞をヌードSCIDマウスの皮下に移植し、腫瘍形成能を調べると共に、2.形成した腫瘍を取り出して、CD44v3、 CD44v6、 CD44v9、CD44standardの発現レベル、および幹細胞マーカーのNANOG、KLF4、OCT4の発現レベルをRT-PCR法を用いて調べる。また、上記の細胞の癌幹細胞マーカーなどについてウェスターンブロット法を用いてタンパク質の発現レベルがRT-PCR法の結果と相関することを確認する。3.さらに、癌細胞から癌幹細胞を分離する方法を確立し、3つの系統の癌細胞から癌幹細胞を分離し、CXCL14の発現が、癌幹細胞数を減少させるのか、癌幹細胞の遺伝子発現活性を抑制するのかを明らかにする。

Causes of Carryover

RT-PCR法によりCXCL14が幹細胞因子と癌幹細胞因子の発現に関与している可能性が明らかになったので、ウェスターンブロット法などを用いて幹細胞マーカーと癌幹細胞マーカーの発現をタンパク質レベルで明らかにする。また、結果をまとめて論文の発表を行うので、論文の校閲と投稿料に使用する。

  • Research Products

    (4 results)

All 2017

All Presentation (4 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Presentation] Chemokine CXCL14/BRAK transgenic mice suppress carcinogenesis, tumor growth and tumor cell metastasis.2017

    • Author(s)
      Yang X-Y
    • Organizer
      2017生命科学系学会合同年次大会 (ConBio2017)
    • Invited
  • [Presentation] ヒト細胞のUV 照射による癌抑制分子CXCL14の発現上昇はp38デルタ特異的シグナル経路による2017

    • Author(s)
      陽暁艶, 小澤重幸, 生駒丈晴, 鈴木健司, 岩渕博史, 前畑洋次郎, 宮本千央, 久保田英朗, 畑隆一郎
    • Organizer
      第49回日本結合組織学会学術大会
  • [Presentation] p38delta MAP kinase specific pathway stimulates gene expression of chemokine CXCL14, a multistep tumor supprresor2017

    • Author(s)
      Yang X-Y, Ozawa Y, Ikoma T, Maehata Y, Kato Y, Hata R
    • Organizer
      第59回歯科基礎医学会学術大会
  • [Presentation] Chemokine CXCL14 is a multifunctional guardian molecule: A promising molecular target for cancer therapy and prevention2017

    • Author(s)
      Yang X-Y, Ozawa S, Ikoma T, Suzuki K, Kanamori K, Kiyono T, Hata R
    • Organizer
      第76 回日本癌学会

URL: 

Published: 2018-12-17  

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