2017 Fiscal Year Research-status Report
人工知能を用いた歯式自動分類アルゴリズムの作成と身元確認システムへの応用
Project/Area Number |
17K17113
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
西山 航 朝日大学, 歯学部, 助教 (80631613)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 人工知能 / Deep Learning |
Outline of Annual Research Achievements |
最新の人工知能技術、Deep Learningにより歯牙抽出及び歯牙分類アルゴリズムを作成するために、学習データとなるパノラマX線画像の収集を行った。画像特性の異なる様々なデータを学習させるために、朝日大学、愛知学院大学、岐阜大学に保存されているデータベースから学習データの収集を行った。収集されたパノラマX線画像から手動で単一の歯牙を切り出し、歯牙分類のラベル付けをしたデータをDeep learningにかけ、機械学習により自動分類アルゴリズムを作成した。作成したアルゴリズムの精度を検証を行い、約90%という高い精度を示した。今後は画像処理によるデータ量の増加や学習ネットワークの選択などの調整を行うことで精度の向上を計る。また単一歯牙の切り取りを自動化するための歯牙検出アルゴリズムについても順次開発を行う予定である。現在も歯牙検出のアルゴリズムの作成は行っているが、精度がやや低く検出のための画像調整や学習データの選定などが必要と考えられる。単一歯牙の検出のためには施設ごとに異なる画像特性の均一化が重要であり、歯牙以外の情報の削除、歯列範囲の抽出を先行して行う方法を試行する予定である。 また、これまではDeep learningによるアルゴリズム作成は岐阜大学のみで行っていたが、科学研究費によるDeep learning用ワークステーションの購入により朝日大学においても行うことが可能となった。これにより複数の異なる学習を並行して行う事や新たなアプローチやアイデアを即時試行する事ができる環境が整備された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度に予定していたパノラマエックス線画像の収集、歯牙分類アルゴリズムの作成に関しては予定通り進行している。歯牙抽出アルゴリズムの作成についても単一歯牙の比較的高精度な検出が可能となっているが、隣接歯と重複した歯牙などの検出困難な症例に対する対策が今後必要になると考えられる。Deep learning用ワークステーションの購入により朝日大学でのアルゴリズム作成環境が整ったことで、今後の研究効率は向上すると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
歯牙分類アルゴリズムの精度向上のため、画像処理方法の検討を行う。歯牙の抽出アルゴリズム作成に関してはパノラマX線画像から歯列範囲の抽出、上下顎の分離、単一歯牙の抽出といった抽出工程の多層化や、検出が容易な解剖学的構造との相対的な位置関係から歯牙の検出を検討するなど、多角的な試行から精度の向上を図る。歯牙分類、歯牙検出どちらのアルゴリズム開発に関しても学習データのパノラマX線画像増加は精度に大きく寄与すると考えられるため、再度のデータ収集に関しても検討を行う。特に各歯牙ごとに分類項目の数を集計し、不足しているデータを選択的に収集することが必要である。
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Causes of Carryover |
2017年のIADMFR(台湾)への参加したが、科研費の執行が間に合わなかったため旅費が使用されなかった。2017年歯科放射線学会総会・学術大会には日程の関係で参加ができなかったため、旅費が使用されなかった。2018年にはDeep learningに関連した発表でRSNA(アメリカ)に応募済みであり、演題が採択されればその旅費として科研費を使用予定である。また物品として購入予定であったソフトウェアに関しては今後の研究計画に合わせて随時購入していく予定である。
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