2019 Fiscal Year Annual Research Report
Characterization and functional analysis of glycoproteins from periodontopathic bacteria
Project/Area Number |
17K17114
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
堀江 俊 朝日大学, 歯学部, 非常勤講師 (00782658)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 歯周病原細菌 / 外膜蛋白質 / 糖鎖修飾 / 血清抵抗性 / 抗菌ペプチド |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周病は歯周組織に種々の歯周病関連細菌がバイオフィルムを形成して定着することで発症する感染症であり,歯槽骨の損失,結合組織の破壊および病的な歯周ポケットの形成を特徴とする罹患率の高い疾患である.我々は以前,歯周病関連細菌(Porphyromonas gingivalis(P. gingivalis), Tannerella forsythia(T. forsythia))の有する外膜タンパク質にO-結合型のN-アセチルグルコサミン (GlcNAc) とシアル酸が付加されていることを明らかにしてきた.その一方でこれら歯周病関連細菌の糖タンパク質の役割については未だ不明な点が多い.本研究では,歯周病原細菌P. gingivalisならびにT. forsythiaの有する外膜蛋白質に存在する糖鎖の生理学的・病理学的役割を明らかにすることを目的とし,糖鎖修飾酵素欠損株をマウスに感染させて、糖鎖修飾の影響を解析することで,目的を達成する努力を行ってきた.本来,糖鎖修飾酵素欠損株を用いて,研究を進行させる予定であったが,糖転移酵素欠損株の作製までは至らなかったため,研究が進行しない状況が続いた.そこで当初の研究計画を変更し,糖転移酵素阻害剤を用い,これら歯周病原細菌の血清抵抗性に対してどのような影響を及ぼすのか,さらに抗菌ペプチドを用い,歯周病原細菌の外膜が殺菌活性に対してどのような影響を及ぼすのか調べた.細菌用培地で歯周病原細菌を培養した場合,N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)転移酵素阻害剤OSMI-1またはシアル酸転移酵素阻害剤Soyasaponin Iを添加した場合,歯周病原細菌の増殖がわずかに促進された.一方,血清含有の細菌用培地で培養した場合には,GlcNAc転移酵素阻害剤BADGPのみ増殖を抑制したが,他の阻害剤では増殖が大きく促進された.さらに,これら歯周病原細菌の外膜は抗菌ペプチドLL-37やβーディフェンシンの殺菌活性に対する抵抗に寄与していることが明らかになった.
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