2018 Fiscal Year Research-status Report
光干渉断層画像診断法を用いた初期う蝕に対する再石灰化誘導とその臨床技法の確立
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17K17122
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
高橋 礼奈 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 助教 (40613609)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 象牙質接着性能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、初期う蝕に対する臨床技法の確立に重点をおいた。直接法と比較して間接法によるレジンセメントの象牙質接着性は未だ十分とはいえない。低い象牙質接着性能はマイクロリーケージ、う蝕を惹起する。窩洞形成終了後、印象採得を行う直前に接着システムと低粘性コンポジットレジンを窩洞に塗布してコーティングをする、もしくは一液性接着システムを塗布することによるレジンコーティング法は、間接法修復における歯髄刺激性、術後疼痛を最小限にする方法として導入され、さらにレジンセメントの象牙質に対する接着性の向上にも有効である。本年度は、下記の3つについて検討した。 1. CAD/CAMシステムを用いた修復法と従来法におけるレジンコーティング法について検討し、一液性接着システムを用いて、レジンコーティングを行った場合、single-visit treatment、multiple-visit treatmentどちらにおいても象牙質接着性が向上した。 2. レジンコーティング層とCAD/CAMブロックの厚みが象牙質接着性能に及ぼす影響について検討し、レジンコーティング層の厚みがレジンセメントの象牙質接着強さに影響した。レジンコーティング法によりセルフアドヒーシブレジンセメントの象牙質接着性能は向上した。レジンセメントの種類は、象牙質接着性能に影響を及ぼした。 3. レジンコーティング法、仮封、装着までの期間が象牙質接着強さに及ぼす影響について検討し、レジンコーティング面に対するCaviton EXによる仮封は、レジンセメントの象牙質接着強さを低下させた。Caviton EXによる仮封はSingle-visit treatment時(1時間後)に除去した場合、レジンコーティングの有無に関わらず、レジンセメントの象牙質接着強さを著しく低下させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
低い象牙質接着性能を克服する臨床技法の確立に関してはほぼ達成することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
2017年度と2018年度の研究成果をもとに、光干渉断層画像診断法を用いた初期う蝕に対する再石灰化誘導とその臨床技法の確立に向けて進めていく。
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Causes of Carryover |
論文の英文校正、掲載が当初の予定より遅れ、次年度使用額が生じた。
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