2019 Fiscal Year Research-status Report
新規還元剤のフッ化ジアンミン銀変色抑制効果:歯科保存修復への応用
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17K17124
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
松井 七生子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (10754963)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | フッ化ジアンミン銀 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初計画していた、健全歯質及び脱灰象牙質に対するフッ化ジアンミン銀の変色の評価、またフッ化ジアンミン銀塗布後の接着への影響の評価は順調に進展している。2020年3月、国際学会1演題発表予定であったが、新型コロナウイルスの影響により開催中止となった。 マイクロCTを用いたフッ化ジアンミン銀塗布歯面の脱灰抑制効果の評価及び人工口腔装置(OBR)を使用したバイオフィルム形成抑制効果の評価の研究についても順調に進展し、国際誌に投稿を行った。 実験においては38%フッ化ジアンミン銀群、3.8%フッ化ジアンミン銀群、38%フッ化ジアンミン銀塗布後にヨウ化カリウムを塗布した群、および38%フッ化ジアンミン銀と同程度のフッ素濃度のフッ化カリウムをウシ抜去歯象牙質に対して塗布し、比較を行った。研究結果より、フッ化ジアンミン銀による変色は濃度に依存して変化すること、また変色抑制のためにフッ化ジアンミン銀塗布後ヨウ化カリウムを塗布する手法は変色抑制効果はあるものの、脱灰抑制効果およびバイオフィルム付着抑制効果は従来のフッ化ジアンミン銀塗布のみよりも劣ることが示唆された。また象牙質の脱灰抑制には銀だけではなく、フッ素濃度も大きく影響されることが確認された。各群の象牙質塗布後の走査型電子顕微鏡像を確認すると、象牙細管の封鎖が38%フッ化ジアンミン銀以外は不十分であることが確認された。このとこから38%フッ化ジアンミン銀以外は十分な象牙質知覚過敏抑制効果が得られない可能性が示唆される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は順調に進展しているが、新型コロナウイルスの影響で今後の国際学会での発表が困難な状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
国際学会での発表が困難であるため、現在は論文作成を進めている。 本年度中の国際誌への追加掲載を目指したい
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Causes of Carryover |
国際学会での使用を予定していたが、新型コロナウイルスの影響で開催が中止となり、次年度使用額が生じてしまった
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