2020 Fiscal Year Research-status Report
新規還元剤のフッ化ジアンミン銀変色抑制効果:歯科保存修復への応用
Project/Area Number |
17K17124
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
松井 七生子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (10754963)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | フッ化ジアンミン銀 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的として挙げていた、新規還元剤によるフッ化ジアンミン銀の歯質変色抑制効果、ならびに脱灰抑制効果へ及ぼす影響について検証について、本年度は昨年度までに得た実験データを基に論文作成を行い、2本の学術論文の発表に至った。 学術論文の内容について、1本目は研究実施計画にある、人工口腔装置(Oral biofilm reactor,以下OBRと略記、現有設備)を用いたバイオフィルム付着性試験を行い、フッ化ジアンミン銀の抗菌性の高さ、バイオフィルム付着抑制機能の高さを確認できた。一方で、還元剤を併用したフッ化ジアンミン銀製剤についてはバイオフィルム付着抑制機能の低下が確認された。これは還元剤を併用した場合、フッ化ジアンミン銀と反応し、従来のフッ化ジアンミン銀単体使用の反応物とは異なる結晶が生成している可能性が、走査型電子顕微鏡の観察から示唆されている。 また、2本目はフッ化ジアンミン銀の象牙質脱灰抑制効果を確認するため、Micro Computed Tomography(μCT)を使用し、還元剤併用フッ化ジアンミン銀との脱灰抑制効果を比較した。実験結果より象牙質脱灰抑制効果はフッ化ジアンミン銀、及びpositive controlとしたフッ化カリウムが最も効果が高く、還元剤併用フッ化ジアンミン銀では低下した。考察からは脱灰抑制には以前から言われていたように、フッ素の働きが大きいことがエネルギー分散型X線分光法(EDS)分析からも確認された。 いずれの結果からも還元剤併用フッ化ジアンミン銀は変色抑制効果がある一方で、従来のフッ化ジアンミン銀からはバイオフィルム付着抑制効果と脱灰抑制効果が低下することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響から予定していた学会発表が中止となった
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Strategy for Future Research Activity |
予定していた学会発表を行う予定である。
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Causes of Carryover |
予定していた学会発表が行えなかった。
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Research Products
(2 results)