2020 Fiscal Year Annual Research Report
Improvement of resin-dentin bond durability by removing water from dentinal collagen
Project/Area Number |
17K17125
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
千葉 彩香 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (90778911)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 象牙質コラーゲン / 水 / 接着システム / 酸エッチング / 接着性レジン |
Outline of Annual Research Achievements |
コンポジットレジンと象牙質の接着において、酸エッチングと水洗によって露出したコラーゲン中に存在する自由水や不完全結合水が、アドヒーシブ中のモノマーと置換することで接着性が獲得される。しかし、それらの水が除去・置換されないと、コラーゲンは水素結合により凝集し、十分な接着を得ることができない。脱灰象牙質へ、エタノールを用いると、MMP抑制物質や架橋結合作用物質を使用しなくても脱灰象牙質から自由水および不完全結合水を除去し、湿潤コラーゲンやプロテアーゼにレジンモノマーを浸透させる働きがある可能性がある。今回固定相に脱灰象牙質パウダーを用いたサイズ排除クロマトグラフィーによって、水を移動相としてHEMAやTEGDMAの分子が水に浸した脱灰象牙質コラーゲンへ浸透できるか検討し、実証実験として、象牙質前処理または酸エッチング&リンスを含むマルチモードワンステップセルフエッチング接着剤(1-SEA)において、適用されたスルフィン酸塩剤が光硬化のDegree of Conversion(DC)および微小引張接着強度(μTBS)に及ぼす影響を検討した。 2種の1-SEAを、酸エッチング&リンスまたはセルフエッチングモードを使用して、被着象牙質面に塗布した。実験群は、1)90 wt%エタノール前処理、2)前処理スルフィン酸塩材塗布3)UBQまたはSBUとスルフィン酸塩材との混合物処理である。スルフィン酸塩剤前処理は、最も高いμTBSとDCをもたらし、特に酸エッチング&リンスモードでそれらを大幅に改善した。エタノール前処理は、酸エッチング&リンスモードでは水置換を促しμTBSを大幅に改善したが、セルフエッチングモードではμTBSを低下させた。酸エッチング&リンスモードその長期耐久性が問題視されてきたコンポジットレジンの接着性が著しく改善する可能性が示唆された。
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Research Products
(7 results)