2020 Fiscal Year Research-status Report
自己修復性能を有する接着システムの開発~修復物の長期耐久性向上への新しい展開~
Project/Area Number |
17K17126
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
佐藤 健人 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 非常勤講師 (10778666)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 接着性レジン / コンポジットレジン / 象牙質 |
Outline of Annual Research Achievements |
現代の歯科治療において、“Minimal Intervention(MI)”コンセプトに基づく接着性レジンとコンポジットレジンを用いた接着歯科治療は、臨床的有効性と経 済的効率性の観点から患者に大きな利益をもたらすことから世界中で幅広く普及している。また、近年の目覚ましい接着歯学の発展に伴い、高い接着強さを示す 接着性レジンや強度の高いコンポジットレジンが開発され臨床応用されているが、その長期耐久性については未だ研究、改良が必要である。 過去の報告によると、コンポジットレジンにフルオロアルミノシリケートガラスとポリアクリル酸を内部に含むシリカマイクロカプセルを含有させることで、コ ンポジットレジン内に微小な亀裂が生じた際に流入した水によりシリカマイクロカプセル内部に含まれていたポリアクリル酸が流出し、フルオロアルミノシリ ケートガラスと反応し、グラスアイオノマーセメント(GIC)を形成、そのイオン結合によりコンポジットレジン内のポリマーが自動修復することが可能だとい ことが明らかになっている。そこで本研究の目的はこのポリマーの自動修復システムを接着システムに応用することで接着性レジンの長期耐久性を向上させ、さ らなる接着歯科治療の発展に寄与することである。 前年度から引き続き、接着性モノマーとポリアクリル酸含有のシリカマイクロカプセルを様々な濃度で配合し試作した接着性レジンについて抜去歯を用いた微小 引っ張り試験を行い、その適性濃度を検討しているが、コロナによる影響もありやや遅れているため、今後も引き続き検討が必要と思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究の目的はポリマーにおける自己修復システムの接着システムへの応用という新しい試みであるため、接着性レジンの適性な成分、濃度の検討が困難であるうえに、コロナによる影響もあり遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、接着性レジンの長期耐久性向上のために、ポリマーの自己修復システムを応用するという新しい手法を試みており、現在はまだ基礎研究の段階であるが、将来的には長期耐久性に優れた新しい接着システムの開発へと展開していく予定である。
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Causes of Carryover |
予定よりもやや計画が遅れているため、引き続き消耗物品などの購入が必要なため
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