2019 Fiscal Year Research-status Report
電子線照射法によるレジン系材料への抗菌成分固定化技術の開発
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17K17128
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| Research Institution | Osaka University |
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Principal Investigator |
北川 蘭奈 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (70711068)
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| Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 歯学 / 抗菌成分 / 電子線照射 / レジン系材料 / 固定化 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、これまでに得られた成果に基づいて、濃度の異なるMDPBコート液を塗布し、電子線を照射して作製したMDPBコーティングレジン試料のStreptococcus mutansに対する抗菌性を評価した。
30%エタノール溶液にMDPBを0、30、50、または80%の濃度で溶解させたMDPBコート液を調製した後、各コート液をポリメチルメタクリレートレジンディスク上面に塗布し、各MDPB濃度のコーティングレジン試料を作製した。原子燃料工業株式会社（大阪府泉南郡）所有の電子加速器を用いて、加速電圧10 MeVの電子線を試料上面に照射した。照射後の各試料を蒸留水に3日間浸漬し、試料に付着したMDPBモノマー、およびそのホモポリマーを除去した。
各コーティングレジン試料を乾燥させた後、試料上にS. mutansの菌液を播種し、24時間培養後、コロニーカウント法により生菌数を測定した。その結果、50%濃度のMDPBコート液を用いてコーティングしたレジン試料では、非コーティング試料やその他の濃度のコート液を用いて作製したコーティングレジン試料に比べて、生菌率が有意に低かった。さらに、50%MDPBコート液を用いて作製したコーティングレジン試料を7日あるいは28日間水中保管した後、試料上で24時間培養したS. mutans の生菌数測定を行ったところ、7日および28日間水中保管した試料と水中浸漬前の試料の間で有意差は認められなかった。したがって、50%MDPBコート液を用いて作製したコーティングレジン試料は長期保管後もS. mutans に対する抗菌効果を維持できることが分かった。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和元年度の研究実施計画に則り、MDPBコーティングレジン試料の抗菌性を評価し、前述のような結果を得た。
以上のことから本研究の進捗は、おおむね順調に進展していると判断できる。
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| Strategy for Future Research Activity |
令和元年度に得られた結果に基づいて、作製したMDPBコーティングレジン試料のバイオフィルム形成抑制効果を検討する。
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| Causes of Carryover |
上述のように、本年度は、MDPBコーティングレジン試料の抗菌性を評価し、当初の計画以上に多くの知見を得ることができた。計画していた全ての評価試験を滞りなく実施することができたため、一部の消耗品を購入が不要となり、次年度使用額が生じた。次年度にバイオフィルム形成試験に係る消耗品を購入する予定である。
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Research Products
(2 results)
