2018 Fiscal Year Annual Research Report
Study for the effect of azithromycin on extraradicular biofilms.
Project/Area Number |
17K17129
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
呉本 勝隆 大阪大学, 歯学研究科, 特任研究員 (40734306)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ラット / 根尖孔外バイオフィルム / アジスロマイシン / 感染根管治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
マクロライド系抗生物質アジスロマイシン (AZM) は in vitro において抗バイオフィルム効果をもつことが報告されている。本研究では、ラット根尖孔外バイオフィルムに対する AZM の有効性の検討を目的として、下記の実験をおこなった。 1. 根尖孔外バイオフィルムの形成と AZM の投与:5 週齢の雄性 Wistar 系ラットの下顎両側第一臼歯の咬合面近心小窩をラウンドバーにて露髄させ、根管を開放することによって根尖病変を形成した。露髄後 4 週に近心根にガッタパーチャポイントを根尖孔を越える位置まで挿入することにより、被験歯に根尖孔外バイオフィルムを形成させた (Kuremoto et al., Appl Environ Microbiol 80:3804-10, 2014)。根尖孔外バイオフィルムが形成される露髄後 6 週に AZM を 3 日間経口投与した。 2. 根尖孔外バイオフィルム形成の有無の評価: AZM 投与終了 24 時間後、ラットを屠殺し、下顎骨を摘出、下顎第一臼歯を抜去した。得られた抜去歯試料を、固定、脱水、凍結乾燥後、白金蒸着を施し、走査型電子顕微鏡にて観察した。根尖孔周囲を無作為に 5 視野観察し、バイオフィルム形成の有無を評価した。その結果、AZM 非投与群においては根尖孔外にバイオフィルムが形成されていることが確認されたが、AZM 投与群では一部の試料においてのみ根尖孔外バイオフィルムが確認された。すなわち、AZM の経口投与により、形成された根尖孔外バイオフィルムが縮小・消失する可能性が示唆された。 今後、根尖孔外バイオフィルムに対する新規治療薬としての AZM の臨床応用を見据えて、その有効性、安全性等に関してさらなる検討を重ねていく予定である。
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Research Products
(2 results)