2018 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of high frequency electromagnetic wave therapy by rat root canal treatment model
Project/Area Number |
17K17131
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
米田 直道 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (80781640)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 根管治療 / 高周波 / ラット |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、4根管感染根管治療モデル上でおこなった高周波電磁波療法を根尖病変の体積計測および根管内細菌量測定にて評価した。具体的な方法としては、ラットの下顎第一臼歯に実験的根尖病変を形成し、露髄4週後に、右側下顎第一臼歯にラバーダム防湿下で根管治療後、高周波電磁波を根管内および根尖孔外に照射した。左側は対照歯として根管治療のみおこない、両側ともフロアブルコンポジットレジンにて封鎖した。その後、以下の方法にて高周波電磁波療法の評価をおこなった。 まず、一定期間後にマイクロCTを撮影後、三次元画像解析ソフトを用いて根尖病変の体積を計測することにより、高周波電磁波療法の有無による根尖病変体積の経時的な変化を評価した。その結果、根管治療群の根尖病変は、2週間後以降対照群と比較して有意に縮小し、高周波電磁波照射群の根尖病変は、6週間後以降根管治療群と比較して有意に体積が減少した。すなわち、高周波電磁波照射により根尖病変の治癒が促進されることが示唆された。 次に、高周波電磁波照射直後の根管内の細菌量をリアルタイムPCRおよびATP測定にて定量し、高周波電磁波が直接根管内の細菌量に与える影響を非照射群と比較検討した。その結果、どちらの評価方法においても、高周波電磁波照射群と非照射群の間に統計学的有意差は認めなかった。すなわち、高周波電磁波照射は根管内の細菌量に対して影響を及ぼさないことが示唆された。 以上より高周波電磁波照射は根尖病変の治癒を促進させることが明らかとなった。しかし、そのメカニズムに関しては未解明であるため、今後、免疫組織化学的手法などにより多面的に検索を行っていく予定としている。
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