2018 Fiscal Year Research-status Report
テオブロミンは齲蝕を予防する;齲蝕抑制の解明と新規歯面コーティング材の開発
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17K17145
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
日下部 修介 朝日大学, 歯学部, 講師 (30614557)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | テオブロミン / S-PRGフィラー / 歯面コーティング材 / 細菌付着性 / ぬれ性 / 吸水性 / 溶解性 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、テオブロミンおよびS-PRGフィラーを含有させた歯面コーティング材を試作し、i) S-PRGフィラー含有コーティング材,ii) S-PRGフィラー含有コーティング材+5.0%テオブロミン,iii) シリカフィラー含有コーティング材+5.0%テオブロミン,iv) シリカフィラー含有コーティング材の4種類について検討することとした。 まず歯面コーティング材の特性として、ぬれ性、吸収性、溶解性について検討した。その結果、以下の結果を得た。 ①酸性下に浸漬したS-PRGフィラーを含有する歯面コーティング材は測定前、1日後、3日後、6日後と経時的にぬれ性は少しずつ大きくなっていったが、シリカフィラーを含有する歯面コーティング材は、1日後急激にぬれ性は大きくなるものの、3日後、6日後には変化がほとんどなかった。またテオブロミンによる影響はほとんど認めなかった。 ②吸水性は、S-PRGフィラーを含有する歯面コーティング材では経時的に増加を認めたものの、シリカフィラーを含有する歯面コーティング材は経時的に減少を認めた。 ③溶解性は、テオブロミン含有した歯面コーティング材の溶解率が高かったが、S-PRGフィラーおよびシリカフィラーを含有した歯面コーティング材の間に有意差は認めなかった。 歯面コーティング材に対する細菌付着性試験、およびSEM観察より、シリカフィラー含有コーティング材+5.0%テオブロミン,iv) シリカフィラー含有コーティング材の方が、S-PRGフィラー含有コーティング材、S-PRGフィラー含有コーティング材+5.0%テオブロミンよりも細菌付着が多くみられ、S-PRGフィラー含有コーティング材の方が、細菌が付着しにくい傾向を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
テオブロミン含有の歯面コーティング材における歯に対する脱灰抑制、再石化促進効果についての研究は計画通り進んでいる。また当初より予定していた溶解性、吸収性、ぬれ性など歯面コーティング材の特性についての実験も概ね順調に進んでいる。 しかしながら歯面コーティング材に対する抗菌性、細菌付着性に関する研究については、想定以上に時間を要しており、詳細の解明には追実験も必要と考えているため。
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Strategy for Future Research Activity |
歯面コーティング材に対する抗菌性、細菌付着性、および試験コーティング材の接着耐久性についての実験を予定している。 またテオブロミンに対する口腔内細菌の及ぼす影響について抗菌性試験、抗齲蝕性試験、テオブロミンを作用させた口腔細菌についてSEM・TEMによって形態学的変化を観察することにより、齲蝕抑制のメカニズムを明らかにしていきたいと考えている。さらには臨床成績調査についても検討したいと考えている。
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Causes of Carryover |
本年度に関しては研究を進めているものの、大学内および研究室内の設備、機器で行える実験もあり次年度使用額が生じた。また次年度以降は海外発表、論文提出、実験機器、試薬の購入を予定している。
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Research Products
(3 results)