2017 Fiscal Year Research-status Report
非侵襲的脳機能イメージング法を用いた歯根膜感覚受容変化メカニズムの解明
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17K17149
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
日原 大貴 東北大学, 大学病院, 医員 (60781292)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 体性感覚誘発磁界 / 歯根膜感覚 / 触圧覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、前年度から行っていた予備実験を発展させ、若年者の歯根膜刺激時SEFのデータ収集を行い、目標の15症例に達した。歯種別(下顎犬歯と下顎第一大臼歯)のSEFの潜時と大脳皮質一次体性感覚野における局在について解析を行い、第一大臼歯の方が犬歯よりも潜時は優位に短く、一次体性感覚野における局在は犬歯、第一大臼歯ともに正中神経と明らかに異なり、前下方に位置しており、他の口腔領域の近辺に位置していたが、犬歯と第一大臼歯で一次体性感覚野における局在に関して三次元的な位置関係に有意差は認めらなかった。よって歯は歯種によらず局在を同じにすることで、口腔内の複雑な運動をコントロールしやすくしており、潜時の違いにより歯種別の感覚を得ていることが示唆された。この結果を国際学会のBiomagnetic Sendai 2017で発表を行い、Young Investigator Award を受賞した。また追加のデータを加えたものをまとめて、国際シンポジウムのThe 12th International Workshop on Biomaterials in Interface Scienceで成果の発表を実施した。さらに上下顎歯のSEFの潜時と大脳皮質一次体性感覚野における局在について解析を行い、上下顎で潜時に有意差はなく、三次元的な位置関係も有意差は認められなかった。最終的に25症例分のデータを取得し、同様に解析を実施し、英語論文としてまとめたため、平成30年度中に英文誌に投稿予定である。 また、本研究の根本でもある歯根膜刺激時の感覚をより正確に解明するために、追加でインプラント埋入患者におけるインプラント刺激時SEFの計測を3名に対して実施し、現在、解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、若年者の歯根膜刺激時SEFのデータの取得は終了し、さらに目標の症例数よりも多くの症例を集めることができたが、高齢者の歯根膜刺激時SEFのデータに関しては新たに倫理委員会の承認が必要になるため現在倫理申請の準備を進めており、平成30年度中に計測を開始する予定のため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は高齢者の歯根膜刺激時SEFの刺激を開始するために東北大学歯学研究科研究倫理員会に倫理申請し、リクルートを仙台市シルバー人材センターに依頼することで、年度内に計測を実施する。さらに歯周炎患者における歯根膜刺激時SEFの計測を実施するためにこちらも合わせて倫理申請を行い、年度内に計測を開始することを目標に東北大学病院にて被験者のリクルートを行う。
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Causes of Carryover |
昨年度は本格的な実験開始にあたり基礎データの収集を行っていたため人件費・謝金の使用が少なかったこと、物品も基礎データ収集のための最低限のものしか購入しなかったため次年度使用額が生じた。 本年度は本格的な実験を開始するため、次年度使用額を被験者の謝金等の人件費並びに謝金に使用し、さらに被験者ひとりひとりで使用する機器を変えるため、物品費にも使用する予定である。
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Research Products
(2 results)