2017 Fiscal Year Research-status Report
Development of aesthetic, strong and aging resistant novel zirconia ceramics for dental restorations
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17K17153
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
猪越 正直 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (90753715)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ジルコニア / X線回折 / 高透光型 / 低温劣化 / 機械的強度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では審美性と強度・耐劣化性を両立した全く新しい積層型の高透光型ジルコニアの開発を目的とし、審美性と物性を両立するためのジルコニア内のイットリア安定化材の最適量、求められた最適量のイットリア安定化材を含む新規酸化物添加ジルコニアの基本的物性、新規酸化物添加ジルコニアを着色・層状に加工した場合の審美性・物性への影響を明らかにする。 実験1:審美性と強度を両立するためのイットリア安定化材の最適量の検討 3種類の高透光型ジルコニア粉末(Zpex, Zpex4, Zpex Smile: 東ソー)から直径15 mm、厚さ約0.9 mmの円盤状試料を作製した。円盤状試料を用い、走査型電子顕微鏡による微小構造の解析(各n=3)とX線回折による結晶構造解析を行った(各n=3)。結晶構造解析には、Rietveld解析を用いた。さらに結晶構造解析に使用した円盤状試料と同型の試料を用い、低温劣化試験(134 ℃、40時間)と二軸曲げ試験を行った(各n=10)。 走査型電子顕微鏡による微小構造の解析の結果、高透光型ジルコニアの粒径は、イットリア安定化材の量の増加に伴って大きくなる傾向にあった。X線回折とRietveld解析による結晶構造解析の結果は以下の通りであった:Zpexの結晶組成:正方晶約90 wt%;立方晶10 wt%、Zpex4の結晶組成:正方晶約70 wt%;立方晶約30 wt%、Zpex Smileの結晶組成:正方晶約45 wt%;立方晶約55 wt%。低温劣化試験の結果、Zpexは40時間後に約80 vol%の単斜晶を生じたが、Zpex4とZpex Smileはほとんど単斜晶を生じなかった。二軸曲げ試験の結果、ZpexとZpex4に比べ、Zpex Smileは有意に低い曲げ強さを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最終目標である積層型の高透光型ジルコニアの開発に向けて、初年度に予定していた実験を遂行することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に従い、新規酸化物添加高透光型ジルコニアの調整と、着色・層状加工した場合の審美性、物性への影響について調査する予定である。
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Causes of Carryover |
一部実験に使用予定であった機材購入の必要がなくなったため、使用額が予定よりも少なくなった。次年度の応力解析等の実験に必要なソフトウェアの購入、試料作製のための治具購入に充てる予定である。
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