2017 Fiscal Year Research-status Report
繊維強化熱可塑性樹脂および衝撃吸収構造を用いた軽量・薄型フェイスガードの開発
Project/Area Number |
17K17154
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
和田 敬広 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (10632317)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | フェイスガード / ノーズガード / 防具 / スポーツ歯学 / 歯科理工学 / スポーツ / 衝撃試験 / 繊維強化熱可塑性樹脂 |
Outline of Annual Research Achievements |
顎顔面骨折はスポーツ中の外傷として頻発するものの一つであり、フェイスガード(以下、FG)は受傷した競技者の患者を確実に保護し、早期の競技復帰を果たすために用いられる一時的な患部保護具である。FGに求められる要件は安全性と競技者のパフォーマンスへの影響に大別される。現状、安全性に対する問題の報告が少ないが、視野が妨げられることやズレ等のパフォーマンスへの影響に不満が多く、安全性を保ちつつ軽量かつ薄いFGが求められている。 現在、FGは硬質な熱可塑性樹脂で作成されたコア材の両面を軟質のクッション材で覆う三層構造を取られていることが多い(競技によっては二層でも可)。コア材に関しては、熱硬化性の繊維強化樹脂も用いられている例が報告されているが、作成の技術・コストがかかることからあまり用いられていなかった。一方、繊維強化熱可塑性樹脂が自動車業界、スポーツ器具業界等で注目を浴びており、コストも下がりつつある。繊維熱可塑性樹脂を用いることができれば、作成に求められる技術、時間が大きく下がり、利便性が向上する。そこで、繊維強化熱可塑性樹脂の利用やコア材の構造を改良することで安全性を保ちつつ、軽量かつ薄いFGの作成を目指している。 本年度は、 1.外傷部に直接衝撃が加わらないようにスペースを設けた構造を有し、スペース部を自作の繊維強化熱可塑性樹脂で補強することで、熱可塑性樹脂を用いたFGよりも薄型化、軽量化でき、衝撃試験の結果によると安全性も良好である結果を得た。論文執筆、投稿を行い、雑誌に受理された。(https://doi.org/10.1155/2018/6503568) 2.市販の繊維強化熱可塑性樹脂でFGが簡便に作成可能なこと、薄型化、軽量化、安全性維持を示唆する結果を得た。現在、論文執筆中で次年度中の投稿を目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究は、おおむね順調に進展した。フェイスガードの構造の工夫(外傷部に直接衝撃が加わらないようにスペースを設けた構造)及びそのスペース部を自作の繊維強化熱可塑性樹脂で補強することで、一般的な熱可塑性樹脂で作成した場合より薄型化、軽量化でき、衝撃試験の結果によると安全性も良好である結果を得て、論文発表を行った。一方、自作の繊維強化熱か性樹脂では生産性や入手性が劣るため、市販の繊維強化熱可塑性樹脂での作成も検討した。その結果、簡便に作成可能なこと、軽量化、安全性維持を示唆する結果を得た。現在、論文執筆中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今まで研究結果を基に、学会発表及び論文執筆を進めており、次年度中の投稿を目指している。次年度も、構造、材料を引き続き検討していくが、それに加えて、高速度カメラでの衝撃試験の観察、高速度引張試験等の新たな分析やシミュレーションを活用した効率的な材料、構造検討方法も進めていく予定である。また、得られている知見を基に作成したフェイスガードを用いて、圧力・加速度・角速度センサーを用いたブレのチェック、フィールドテスト、アンケート調査等を検討中である。その他に同様に保護具であるマウスガード等にも同様の得られた知見、技術が活かせないか検討中である。
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Causes of Carryover |
3Dプリンタ リース代を見込んでいたが共同研究者に所有している装置があることが判明し、リースをする必要がなくなった。余ったお金は論文の成果発表等に用いる。
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Research Products
(6 results)