2019 Fiscal Year Research-status Report
抗菌性義歯用材料の開発;感染制御の口腔内からのアプローチに向けて
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17K17156
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
堤 千明 鶴見大学, 歯学部, 学部助手 (20778691)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Candida / デンチャープラーク / 義歯性口内炎 / カンジダ症 |
Outline of Annual Research Achievements |
義歯を装着した高齢者に頻発する慢性萎縮性カンジダ症である義歯性口内炎はデンチャープラーク内の真菌Candida albicans(C. albicans)が主要因である.研究代表者は義歯に付着したC. albicansを除去および殺菌することを目的に研究を継続している.これまで,抗菌性フィラーであるS-PRGフィラーを組み込んだ義歯用レジンが義歯上のC. albicansの付着や増殖を抑制することを証明し,更に同フィラーを組み込んだ義歯粘膜調整材がC. albicansの増殖を抑制できることも確認した.これらの結果から抗菌性義歯用材料の臨床応用に向けて,同フィラーを組み込んだ義歯用材料のデンチャープラークを構成する様々な微生物に対する殺菌または増殖抑制効果の検証が必要であると考え,現在実験を行っている. 本年度は,C. albicans以外のCandida属真菌C. glabrata,C. tropicalis,C. parapsilosisも慢性萎縮性カンジダ症の要因になることに着目し,この3菌種にまで実験の幅を広げ,様々な義歯殺菌方法や抗菌性義歯用材料に関する成果を発表した.また,様々な口腔内病原微生物を用いたデンチャープラークモデルの作製に現在取り組んでいる. 今後は,このデンチャープラークモデルを用いた実験により義歯の新たな殺菌・洗浄方法および抗菌性義歯用材料の開発をしていく予定である.引き続きデータを取得し,成果を報告していく.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
育児休業による研究中断期間が生じ,デンチャープラークモデルを用いた抗菌効果の検証が遅延しているため.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,デンチャープラークモデルを完成させ,このモデルを用いた義歯の殺菌方法や抗菌性義歯用材料の開発をしていく予定である.
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Causes of Carryover |
育児休業により研究中断期間が生じてしまったため次年度使用額が生じた.次年度の論文雑誌掲載料に充てる予定である.
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