2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of antimicrobial denture materials; infection control and prevention by oral health.
Project/Area Number |
17K17156
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
堤 千明 鶴見大学, 歯学部, 学部助手 (20778691)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 義歯性口内炎 / 慢性萎縮性カンジダ症 / Candida |
Outline of Annual Research Achievements |
義歯を装着した高齢者に頻発する慢性萎縮性カンジダ症である義歯性口内炎はデンチャープラーク内のCandida albicansが主要因である. 本研究課題は義歯に付着したC. albicansを除去および殺菌することに加え,C. albicansの感染した口腔粘膜に関して新たな治療法を開発することを目的に行ってきた.これまで,研究代表者は抗菌性フィラーであるS-PRGフィラーを組み込んだ義歯用レジンが義歯上のC. albicansの付着や増殖を抑制することを証明し,更に同フィラーを組み込んだ義歯粘膜調整材がC. albicansの増殖を抑制できることも確認した.加えて,これらの義歯用材料に同フィラーを添加する際の最適な量を物性試験を行うことで確認することもできた.本研究課題では,臨床応用に向け,デンチャープラークに含まれる他の微生物への効果や実際の臨床試験も予定していた.他の微生物に関しては,慢性萎縮性カンジダ症の要因となるC. albicans以外のCandida属真菌C. glabrata,C. tropicalisおよびC. parapsilosisに関して更なる実験を行うことができた.これにより,新たな抗菌性義歯用材料の開発がC. albicans以外のCandida属真菌により発症する義歯性口内炎の治療および予防につながる可能性を見出すことができた.その一方で,臨床試験に関しては研究期間中における産前産後休暇および育児休暇の取得に伴い研究の進行が遅れたため完了することができなかった.
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