2020 Fiscal Year Annual Research Report
Longitudinal assessment of large-scale MRI data for elucidation of pathological progression mechanism of temporomandibular disorders
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17K17165
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高岡 亮太 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (20733968)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 変形性顎関節症 / 関節円板側方転位 / Subchondral cyst / 縦断研究 / MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
Subchondral cyst(以下SC)の存在は変形性顎関節症の国際的な画像診断基準の一つとして重要視されているにもかかわらず,これまで顎関節部のSCに関する横断研究は皆無に近く,ましてSCに関する縦断研究は存在しないのが現状である.そこで本研究はMRIデータを用い,下顎頭のSCについて横断的および縦断的な調査を行った. 横断的調査により,SCは下顎頭の力学的負荷の加わりやすい部位の近傍に形成される可能性が示唆された.また,SCは関節円板の位置異常,特に非復位性顎関節円板転位との関連が強いことが明らかとなった.さらに,SCは下顎頭退行性骨変化の中でも,晩期に発生する可能性が示唆された.縦断的調査により, SCの3分の2は下顎頭および関節隆起の骨吸収を伴いながら時間経過とともに消失することが分かった.SCを有する患者の臨床症状はSCの運命に関わりなく保存療法により十分に改善することも明らかとなった. また,顎関節円板側方転位は変形性顎関節症の発症の原因の一つである可能性があるにもかかわらず,未だその病態は明らかにされていない.本研究では円板側方転位を有する患者の顎関節MRIを4年以上最大で9年間間隔を空け縦断的に撮像し,円板側方転位の経時的変化を観察した.当初は円板側方転位から円板前方転位に移行するとの仮説を立てていたが,縦断調査の結果,側方転位の程度が変化した症例は存在したが,円板側方転位から円板前方転位に移行した症例は存在せず,仮説を証明することができなかった.したがって,円板側方転位は円板前方転位とは異なるメカニズムで発症し,独自の経過を辿る可能性が示唆された. 令和2年度は本研究のベースデータである1356顎関節を用い,円板転位と変形性顎関節症の関係について調査を行った.統計解析の結果,円板の側方転位および完全前方転位が変形性顎関節症と関連していることが明らかとなった.
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Research Products
(3 results)