2019 Fiscal Year Research-status Report
顎関節MRIによる関節円板転位症例の長期予後評価と新規リスク因子の解明
Project/Area Number |
17K17170
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
三木 春奈 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (60739902)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 顎関節症 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度から引き続き,MR画像評価者間のキャリブレーションを行い,MR画像の評価方法ならびにその信頼性についての検証を行った。特に下顎頭の位置や偽円板の評価については,さらなる評価精度の向上が求められたため,評価基準の見直しを行った。具体的には,前年度から行ってきた全ての評価項目について,3名の評価者間で評価の異なる点を協議し,評価基準を改訂した。偽円板の評価基準は,以下のⅠ~Ⅲの全てを満たす場合を偽関節円板形成とし,それ以外を無と設定した。(Ⅰ.閉口位で関節円板が前方に転位していること.Ⅱ.a)復位性関節円板前方転位症例の場合,閉口位で関節円板の後方の円板後部組織に周囲軟組織よりも低い信号所見が確認できること,開口位で関節隆起と下顎頭の間に存在している関節円板の後方に円板後部組織の低信号所見が確認できること.b)非復位性関節円板前方転位症例の場合,閉口位で関節円板の後方の円板後部組織に周囲軟組織よりも低い信号所見が確認できること,開口位で関節隆起と下顎頭の間に低信号像の組織が介在していることが確認できること.Ⅲ.開口位でこの円板後部の低信号像の組織に3部位のうち2部位以上の穿孔が疑われないこと.)再度のキャリブレーションならびに評価基準の見直しにより評価者間の一致度は上昇し,十分な信頼性を有していると考えられた。今後はこの評価基準に従い,計画通り初診時と追跡調査時のデータの比較検討を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
これまでに70名の被験者のデータを集積した。予備研究としてMR画像評価のキャリブレーションならびに診断基準の改訂を行い,3名の評価者間で高いレベルの一致度を確立することができた。今後は被験者データのMR画像評価ならびに統計解析予定であるが、評価者である研究協力者3名のその他の業務の多忙によりMR画像読影・キャリブレーションに時間を要したため当初の予定より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
初診時と追跡調査時のデータの比較することにより,偽関節円板像の発現頻度や下顎頭骨変形の発症率,関節円板転位の進行率,臨床症状の悪化率の算出することで病態変化を把握する。偽関節円板形成に関連する因子について検討し,さらに顎関節症の病態変化に関連する因子の同定を行う。
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Causes of Carryover |
予備研究としてMR画像評価のキャリブレーションならびに診断基準の改訂を行い,3名の評価者間で高いレベルの一致度を確立することができた。今後は被験者データのMR画像評価ならびに統計解析を行う予定であるが,研究遂行にあたり被験者集積に時間を要したことと,評価者である研究協力者3名のその他の業務の多忙によりMR画像読影・キャリブレーションに時間を要したため当初の計画より遅れている。本研究の成果は積極的に学会発表を行い,広く情報発信を行うとともに,国際学術誌に論文投稿を行う予定である。そのための学会出張の費用,英文論文の校正費用としての使用を計画している。
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Research Products
(2 results)