2018 Fiscal Year Research-status Report
人工呼吸器関連肺炎の発症リスク軽減を目指した新規洗口剤の開発
Project/Area Number |
17K17172
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岡崎 洋平 広島大学, 病院(歯), 助教 (00706898)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 人工呼吸器関連肺炎(VAP) / 洗口剤 / 抗菌剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
厚生労働省は、2025年までに医療費を1,000億円、介護費を5兆円抑制するために、「高齢者の誤嚥性肺炎予防の口腔ケア事業」を推進させるとしている。そこで、医科領域における人工呼吸器関連肺炎(VAP;Ventilator-associated pneumonia)に着目した。VAPは、気管支挿管による人工呼吸開始48 時間以降に新たに発症する肺炎であり、気管支挿管前、人工呼吸管理開始前には肺炎がないことが条件となっている。気管挿管チューブの外側を介して声門下に口腔内分泌物・細菌が流入すること、挿管チューブから直接下気道に細菌が侵入することなどが原因となる。本研究では、特にVAP予防に着目し、抗菌成分塩化セチルピリジニウム(CPC)含有洗口剤の開発を目指す。 平成29年度は、①CPCの最適添加量の決定、及び②CPC以外の組成による抗菌効果の阻害成分の検索を行った。医薬部外品原料規格としてのCPCの配合濃度基準は0.01~0.05%であるため、0.05%CPCを配合した厚生労働省「薬用歯みがき類製造(輸入)承認基準等について」に従い8種類の洗口剤を試作した。官能評価及び粘度測定により3種類の試作洗口剤を選択し、S. pneumoniae(肺炎球菌)、K. pneumoniae(肺炎桿菌)、P. gingivalis(歯周病原因菌)、C. albicans(カンジダ菌)に対する抗菌試験を実施した。以上の粘度測定及び抗菌効果の阻害成分の検索結果より、CPC含有洗口剤の組成を決定した。 平成30年度は、臨床評価を行う予定であった。しかしながら、洗口剤の抗菌性能の1年後の安定性を確認したところ、性能の劣化が認められた。そこで、再度、組成の変更を行った。そのため、事業期間を延長し、洗口剤の抗菌性能の安定性を確認した後に、臨床評価することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
CPC含有洗口剤の組成を決定し、臨床評価を行う予定であった。しかしながら、洗口剤の抗菌性能の1年後の安定性が得られないことが判明し、再度、組成の変更を行った。そのため、洗口剤の抗菌性能の安定性を確認した後に、臨床評価する計画の見直しが必要となった。よって、事業期間の延長を申請した。
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Strategy for Future Research Activity |
CPC含有洗口剤の組成に修正を加え、再度、洗口剤の抗菌性能の安定性を確認した後に、臨床評価を実施する。
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Causes of Carryover |
CPC含有洗口剤の組成を決定し、臨床評価を行う予定であった。しかしながら、洗口剤の抗菌性能の1年後の安定性が得られないことが判明し、再度、組成の変更を行った。そのため、洗口剤の抗菌性能の安定性を確認した後に、臨床評価する計画の見直しが必要となった。よって、事業期間の延長を申請した。
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