2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of new prevention and treatment methods for Medication-Related Osteo Necrosis of the Jaw
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17K17182
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
安波 礼之 九州大学, 歯学研究院, 助教 (00758021)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | MRONJ |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、骨吸収抑制薬や抗RANKL抗体による副作用として顎骨壊死や骨髄炎に似た骨露出が報告されるようになってきた。この薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)において確立した治療法がないのが現状である。我々は、脂質異常症治療薬であるスタチンによる、骨形成促進・軟組織治癒促進効果を報告してきた。そこで、「スタチンはMRONJの治癒を促進する」という仮説をたて、MRONJに対するスタチンの治癒効果を検証することを目的とした。 まず、MRONJ様ラットの作製を行った。4週齢の雌性wistarラットに対して、BP製剤であるゾレドロン酸(ZA)とステロイドのデキサメタゾン(Dex)を週3回、腹腔内投与し、2週目で右側上顎第一臼歯を抜去した。これら薬剤の投与は4週目まで継続し、4週目に評価を行った。生食群では、上皮の連続性が回復し、骨の治癒も進んでいるが、ZADex投与群では骨露出やリンパ球の浸潤、腐骨の形成を認めた。すなわち、MRONJ様ラットが作製可能であることを確認した。 次にスタチンを1回の皮下投与で長期的に作用させるために、長期徐放性のあるPLGA-フルバスタチン複合体の作製を行った。徐放試験を行ったところ、ほぼ一定の溶出を示すことを確認した。 そこで、作製したPLGA-フルバスタチン複合体の抜歯後抜歯窩周囲に対する影響を検証することとした。抜歯直後、抜歯窩近傍にPLGA-フルバスタチン複合体を単回投与すると、抜歯窩における上皮による封鎖が早期に完了し、抜歯窩内の骨形成が促進することを確認した。すなわち、作製したPLGA-フルバスタチン複合体を単回局所投与することで軟組織の治癒および骨形成を促進することが確認された。
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