2017 Fiscal Year Research-status Report
臨床徴候評価を基盤とした新たな睡眠時ブラキシズム臨床診断基準の策定
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17K17190
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
吉田 裕哉 昭和大学, 歯学部, 助教 (60783298)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 睡眠時ブラキシズム / 睡眠歯科医学 / 臨床診断 / 睡眠ポリグラフィ |
Outline of Annual Research Achievements |
睡眠中の運動障害と定義される睡眠時ブラキシズム(SB)は,覚醒時の最大咬合力を超える力を伴うものや数分間持続するものがあり,顎口腔系に破壊的に作用する.歯科の二大疾患である齲蝕や歯周病と同様に,近年歯科治療予後を左右する重要なリスクファクターとして明確に位置づけられているが,チェアサイドでの正確な臨床診断方法は確立されていない。 SBの筋活動には様々なパターンがあることが示されているが,臨床的にはこれらの多寡を考慮せず一括りに診断され,画一的な対応がなされているため,正確な診断・治療がなされていないのが現状である.SBに対する力のコントロールを考えるうえで,チェアサイドでの臨床徴候・症状からSB症型分類(グラインディングタイプとクレンチングタイプ)やSBレベル(頻度・強度)を適確に診断することが可能となれば,国民のQoLを維持・向上することができる. 本研究は,チェアサイドより収集されるSBの臨床情報と睡眠ポリグラフ検査(PSG)を用いることで得られるSBの生理学的病態との関連性を明らかにすることで,患者個々の筋活動状態を適確に把握できる臨床診断法の確立を目指し,個別化医療を実践するためのものである。 本年度は,被験者の動員,口腔内診査,簡易睡眠検査装置による睡眠中の咀嚼筋活動の評価を行った。健康成人を対象とし、過去6カ月以内の睡眠同伴者による歯ぎしり音の指摘と、顕著な咬耗の存在・起床時の咀嚼筋の疲労感の存在・咬筋の顕著な肥大の存在から成る睡眠時ブラキシズム臨床診断基準を用いて一次スクリーニングを行った。その後、二次スクリーニングとして睡眠中の咀嚼筋筋活動測定を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
被験者の動員および睡眠中の咀嚼筋活動測定に時間を要している. また,解析項目が多岐にわたり,若干遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
継続して被験者の収集および睡眠中の咀嚼筋活動の測定を行う. また,簡易睡眠検査装置の応用も視野に入れている.
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Causes of Carryover |
被験者の動員および睡眠中の咀嚼筋活動測定に時間を要しているため,次年度使用額が生じる. また,研究経費の節約も考慮し,簡易睡眠検査装置の応用を行う予定である. 次年度は,測定にかかわる備品,消耗品に使用する予定である.また,研究成果の公表のために,国内外にて発表を行う予定である.
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Research Products
(3 results)