2021 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the mechanism of sleep masticatory muscle activity using iPS cell-derived 5-HT receptor-expressing neurons.
Project/Area Number |
17K17191
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
戸澤 有理恵 昭和大学, 歯学部, 兼任講師 (70783356)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 睡眠時ブラキシズム / ヒトiPS細胞 / セロトニン2A受容体 / rs6313 / レポーターレンチウイルス / ホールセルパッチクランプ解析 / 一塩基多型 |
Outline of Annual Research Achievements |
睡眠時ブラキシズム(SB)の発症機序は未だに明らかでない.SBは顎口腔系に為害作用をもたらす可能性がある為,歯科治療の予後を考える上でそのマネジメントは非常に重要である.先行研究において,セロトニン2A8(5-HT2A)受容体遺伝子 (HTR2A)rs6313の一塩基多型がSBの発症リスクである可能性を報告した.このことから,rs6313にリスクアレルを有する患者は5-HT2A受容体の機能に変化を生じ,それらは三叉神経運動路を介した,睡眠時の咀嚼筋活動量に影響を及ぼす可能性が示唆される.本研究は,SB特異的ヒトiPS細胞から分化誘導したニューロンから,標的となるHTR2A発現細胞を特異的に標識し,電気生理学的解析,遺伝子発現解析により,SB 患者に特異的な生体内の神経機構の解明を目指したものである.HTR2Aプロモーターに特異的なレンチウイルスを作成し,HTR2A陽性ニューロンをZsGreen1で標識した.またこれらの標識されたニューロンについて,シングルセルRNA-seqを行った結果,SYN1,DLG4などのシナプスマーカーの発現を認めた.またこれらのニューロン集団にはグルタミン酸作動性,GABA作動性,コリン作動性,ドーパミン作動性,セロトニン作動性ニューロンマーカーの発現が認められた.標識されたニューロンの電気生理学的解析により,電気刺激への応答を調査したところ,連続発火を認めた.また5-HT2A受容体選択的アゴニストであるTCB-2を投与すると,内向き電流の発生を認めた.今後,本研究にて確立された,ヒトiPS細胞由来HTR2A陽性神経細胞に特異的な機能解析システムを応用し,SB特異的な電気生理学的パラメーターを検出することができれば,発症機序の解明と治療薬の開発に繋がると期待される.
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Research Products
(1 results)