2019 Fiscal Year Annual Research Report
Effect of atmospheric plasma treatment on the bonding property of CAD/CAM composite resin
Project/Area Number |
17K17197
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
朝倉 正紀 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (10727506)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 接着 / プライマー / CAD/CAM用ハイブリッドレジン |
Outline of Annual Research Achievements |
歯冠修復用CAD/CAMハイブリッドレジンは従来のペーストタイプのコンポジットレジンと比較し,物性や耐着色性に優れている.一方で,残留モノマーがなく重合度が高いため,接着が困難であることが問題となっている.そこで本研究では大気圧プラズマによりCAD/CAMハイブリッドレジンの表面改質を行い,接着力を向上させることを目的として実験を遂行した.その結果,プラズマ処理を行った試料の接着強さは,研磨のみの試料と比較して有意に高い値を示した.また,プラズマ処理を行うことで,濡れ性が大きく向上した.しかしながら,従来から用いられているサンドブラスト処理と比較した場合、その接着効果は著しく低い事が明らかとなった.従って,対費用効果や安全性の観点から判断した場合においても,大気圧プラズマの臨床応用は非現実的であると判断できる. 以上の理由から,2019年度より実験計画を変更し, MMA含有プライマーの接着効果を,各メーカーより市販されている多種のCAD/CAMハイブリッドレジンに対して同様の試験を行い,接着効果を評価した.臨床において、従来からシランカップリング剤が接着用プライマーとして用いられているが,MMA含有プライマーの接着効果は不明な点が多い.接着試験の結果,サンドブラスト処理を行った試料においてMMA含有プライマー処理群の接着強さは,シランカップリング処理群と比較して,被着材料10種類のうち6種類で有意に高い値を示した.さらには,サンドブラスト処理無しの試料において,MMA含有プライマー処理群の接着強さは,被着材料9種類で優位に高い接着強さを示した.これらの結果から,MMA含有プライマーの接着効果は優れていると考えられる.本研究成果は,歯冠修復用CAD/CAMハイブリッドレジンの接着に関する有用な情報を臨床家へ与えると考えられる.
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