2018 Fiscal Year Annual Research Report
Nanosecond-pulsed laser-treated zirconia implant with microgrooves for bone integration and soft tissue adhesion
Project/Area Number |
17K17225
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
廣田 正嗣 鶴見大学, 歯学部, 学部助手 (50734860)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ジルコニア / インプラント / ナノ秒パルスレーザ / 表面改質 / レーザ加工 / オッセオインテグレーション / 相変態 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,オッセオインテグレーションの早期獲得,長期間安定し機能するジルコニアインプラント開発を目指し,微細加工が可能なナノ秒パルスレーザによってジルコニア表面に凹凸構造を創成し骨および軟組織付着性について検討を行ってきた.2018年度の研究実績について報告する. ナノ秒パルスレーザ加工に伴い生じたジルコニアの結晶構造の変化による影響を明らかにするため,レーザ照射後のイットリア安定型正方晶部分安定化ジルコニア (Y-TZP) およびセリア安定型正方晶部分安定化ジルコニア (Ce-TZP) 表面に対しX線回折法 (XRD) による表面分析を行った.レーザ照射前の機械加工や研磨時に由来する単斜晶へ変態したジルコニアが,ナノ秒パルスレーザの照射自体により母材と同様の正方晶に回復することが分かった.これはブラスト法等の従来の機械加工による表面改質法と比較し,正方晶を維持し機械的強度が担保できる点でジルコニア表面への処理として本レーザ加工が有用であることが示された. Ce-TZP表面へのレーザ照射によって黒変が認められた.この黒変したCe-TZPに対し,EDXおよびX線光電子分光法 (XPS) による分析を行った結果,ジルコニア内の酸素の欠損およびジルコニウムイオンの還元が確認された.このことから電気炉内で1,000℃,15分間留置後炉冷を行うことにより,白色へ色調回復できることが明らかになった. ジルコニアなどセラミックス表面への有機物の接着を検討するため,シランカップリング剤を試作し,その化学的影響について検討した.またインプラントを見据えた各種歯科材料へのタンパク質吸着についてもQCM法を用い検討を行った. これらの結果は,2017年度の実績とともに統括し,各関連学会の学術講演会にて発表を行った.またこの成果を研究論文としてまとめ,機関雑誌に投稿,掲載を果たした.
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