2017 Fiscal Year Annual Research Report
肥満II型糖尿病モデルSDT fattyラット顎骨におけるビスホスホネートの作用
Project/Area Number |
17K17231
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
坪井 香奈子 北海道大学, 大学病院, 医員 (50754610)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 口腔外科学一般 / 糖尿病性骨粗鬆症 / ビスホスホネート |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、ビスホスホネート投与の前に肥満II 型糖尿病モデルSDT fatty Leprfaラットの顎骨における病理組織状態を検索した。その結果、生後40週齢の肥満II 型糖尿病モデルSDT fatty Leprfaラットの下顎骨では、本来の歯周組織に多量の細菌感染および上皮組織の陥入が認められ、それに伴って、歯根膜の消失と肉芽組織形成、ならびに、歯槽骨の広範な吸収が認められた。根尖部のセメント質にも細菌感染が認められ、多数の空のセメント小腔が観察された。このように、肥満II 型糖尿病モデルSDT fatty Leprfaラットの顎骨では、血糖値の上昇による異常だけでなく、重篤な細菌感染が示された。 一方で、根尖部には歯槽骨が残存し、そこには多数の酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼ(TRAP)陽性/Cathepsin K陽性破骨細胞、および、組織非特異型アルカリホスファターゼ(TNALPase)陽性を示す活性型骨芽細胞が局在した。Von Kossa染色を行うと、未石灰化領域である厚い類骨層を有する骨基質が観察され、骨基質内部には網目状のオステオポンチン陽性セメントラインが形成されていたことから、活発な骨リモデリングが誘導されたものと推測された。STED (Stimulated Emission Depletion Microscopy)で骨基質内の骨細胞の分布を検索すると、その配列は不規則であることが示された。従って、感染部位では、恐らく、活発な骨吸収により歯槽骨が消失するが、細菌感染部位からやや離れた歯槽骨では活発な骨リモデリングが誘導されると推察された。 以上から、肥満II 型糖尿病モデルSDT fatty Leprfaラットの顎骨では、四肢の長管骨とは異なり、外部からの細菌侵入を受けており、それによる骨代謝異常が生じていることが明らかにされた。
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[Journal Article] Ultrastructural and biochemical aspects of matrix vesicle-mediated mineralization.2017
Author(s)
Hasegawa T., Yamamoto T., Tsuchiya E., Hongo H., Tsuboi K., Kudo A., Abe M., Yoshida T., Nagai T., Khadiza N., Yokoyama A., Oda K., Ozawa H., Freitas de PHL., Li M., Amizuka N.
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Journal Title
Japanese Dental Science Review.
Volume: 53
Pages: 34-45
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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