2018 Fiscal Year Annual Research Report
The development of novel treatment and histopathological diagnosis methods for oral precancerous lesions targeting macrophages
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17K17247
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
重岡 学 神戸大学, 医学研究科, 助教 (20778716)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 口腔前癌病変 / 新規治療法 / 新規病理診断法 / マクロファージ / IL-10 / CD163 |
Outline of Annual Research Achievements |
わが国における口腔癌による死亡者数は近年の増加傾向に歯止めがかからない。また、口腔癌の進行症例では舌や顎,頬を含む広範な切除が必要となり、命こそ助かったとしても、その代償は想像以上に大きなものとなる。よって、効率的な早期発見法の確立が急務であるが、発癌メカニズムはいまだ明らかではない。また、早期病変は視診や触診のみで診断することは困難で確定診断には病理検査が重要となるが、組織所見も多彩であり、病理組織学的評価法についても未解決の点が多い。そこで本研究では、口腔扁平上皮発癌の分子病理メカニズムについて、上皮細胞とマクロファージの相互作用の観点から解析を行った。 臨床検体を用いた解析では上皮内癌を含めた上皮内病変において M2マーカーCD163を発現するマクロファージが浸潤しており、その浸潤数が悪性度(高度の上皮異形成、Ki-67 異常発現および Cytokeratin 13発現消失)に相関することを見出した。さらに培養系を用いた検討では、CD163陽性THP-1由来マクロファージ培養上清がヒト口腔ケラチノサイトの腫瘍免疫抑制因子IL-10発現を誘導することを見出した。臨床検体においてIL-10の高発現を認める症例ではCD163陽性マクロファージや腫瘍免疫抑制に関与する制御性T細胞の浸潤数が多かった。さらには、発癌過程においてM2マクロファージの局在が変化することを明らかにし、本結果が日常の生検診断に応用できる可能性も見出した。
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Research Products
(8 results)
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[Presentation] 神戸大学病院歯科口腔外科における過去10年間のレーザー治療に対する臨床的検討2018
Author(s)
香西慎一, 木本明, 八谷奈苗, 山下淳也, 松尾健司, 榎本由依, 松本耕祐, 北山美登里, 重岡学, 鈴木泰明, 古森孝英
Organizer
第30回記念日本レーザー歯学会学術大会
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[Presentation] 口腔癌の発癌初期段階におけるマクロファージの役割2018
Author(s)
重岡学, 児玉貴之, 坂本浩輝, 藤川正隆, 東野展英, 小平日実子, 市原有美, 細野雅義, 西尾真理, 狛雄一朗, 横崎宏
Organizer
第77回日本癌学会学術総会
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