2018 Fiscal Year Research-status Report
ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体を介した麻酔薬の抗炎症作用の解明
Project/Area Number |
17K17248
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
若杉 優花 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (00749210)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | デクスメデトミジン / ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで我々の教室から、鎮静薬であるデクスメデトミジン(DEX)を局所投与することで、抗浮腫作用・炎症性疼痛抑制作用を示す研究結果を報告してきた。しかし、その機序は過去の論文を含めて様々な報告があり、未だ詳細は不明である。そこで、DEXがアラキドン酸代謝の過程で生じる15-デオキシ-△12, 14-PGJ2(15d-PGJ2)の産生を増加させ、これによりペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ(PPARγ)および核内転写因子(NF-κB)による転写活性を抑制し、炎症性サイトカインの産生を抑制するという仮説を立て、研究を進めている。 平成29年度は、これまでに報告しているDEXの抗炎症作用をさらに検証し、DEXの濃度依存性による有意なTNF-αの産生抑制を報告した。また、DEXの投与により有意に15d-PGJ2の産生が増加することを確認し、DEXの抗炎症作用に15d-PGJ2が関与している可能性が示唆されることを報告した。平成30年度は、これまでの結果で確認できたDEXによる炎症性サイトカインの抑制が、各種拮抗薬を添加することにより影響を受けるかについて、ELISAやリアルタイムPCRで検討を行う予定であったが、平成30年1月末から産前産後休暇、その後育児休暇を取得したため研究を中断した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成30年1月末から産前産後休暇、その後育児休暇を取得したため。復職し研究を再開後、平成30年度の計画予定で施行できなかった項目を順次行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度は、これまでの結果で確認できたDEXによる炎症性サイトカインの抑制が、各種拮抗薬を添加することにより影響を受けるかについてELISAやリアルタイムPCRで検討を行う。また、プロスタグランジンにおいても同様に検討を行う。以上で結果が得られれば、ヒトPBMCsでIn vitro実験の総括を行うか、あるいはラットを用いてIn vivo実験に移行し、DEXによる抗炎症作用の機序の解明に引き続き取り組んでいく予定である。
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Causes of Carryover |
平成30年1月末から産前産後休暇、その後育児休暇を取得したため。 これまでの結果で確認できたDEXによる炎症性サイトカインの抑制が、各種拮抗薬を添加することにより影響を受けるかについてELISAやリアルタイムPCRで検討を行う。また、プロスタグランジンにおいても同様に検討を行う。以上で結果が得られれば、ヒトPBMCsでIn vitro実験の総括を行うか、あるいはラットを用いてIn vivo実験に移行し、DEXによる抗炎症作用の機序の解明に引き続き取り組んでいく予定である。
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