2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the anti-inflammatory mechanism of anesthetic through peroxisome proliferator-activated receptor gamma activation
Project/Area Number |
17K17248
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
若杉 優花 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (00749210)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | デクスメデトミジン / PPARγ / 15d-PGJ2 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はデクスメデトミジン(DEX)がアラキドン酸代謝の過程で生じる15-デオキシ-△12, 14-PGJ2(15d-PGJ2)を増加させ、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ(PPARγ)に作用し抗炎症作用をもたらすという仮説のもと行っている。これまでに、マウスマクロファージ由来株細胞RAW264.7を用い、DEXによるLPS誘発性炎症性サイトカインの抑制および15d-PGJ2の産生量、PPARγの遺伝子発現量の増加を確認している。 2020年度は、まずDEXによる15d-PGJ2、PPARγの増加がα2アドレナリン受容体を介するかを調べた。細胞数を調整し、Control群、LPS群、LPS+DEX群、LPS+DEX+ヨヒンビン(YOH)群の4群に分けた(いずれもLPS: 10ng/ml、DEX: 10μM、YOH: 100μM)。6時間後、LPS+DEX群では15d-PGJ2産生量およびPPARγ遺伝子発現量が増加したが、YOHによりこの作用は拮抗された。よって、DEXはα2アドレナリン受容体を介して15d-PGJ2産生量およびPPARγ遺伝子発現量を増加させることが示された。 次に、PPARγの特異的拮抗薬であるT0070907存在下における、DEXによる炎症性サイトカイン産生抑制効果への影響について評価した。細胞数を調整し、Control群、LPS群、LPS+DEX群、LPS+DEX+T0070907群の4群に分けた(いずれもLPS: 10ng/ml、DEX: 10μM、T0070907: 10μM)。6時間後、DEXによるLPS誘発性炎症性サイトカインの抑制効果はT0070907により拮抗された。 以上の結果から、DEXがα2アドレナリン受容体を介して15d-PGJ2の産生、PPARγ遺伝子発現を増加させることでLPS誘発性炎症反応を抑制する可能性が示唆された。
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