2018 Fiscal Year Research-status Report
口腔癌に対するセツキシマブの治療効果を高めるための薬剤感受性制御機構の解明
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17K17267
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
鳴瀬 智史 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (70549609)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | セツキシマブ / PIK3CA遺伝子 / PI3Kp110α |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者はセツキシマブ耐性に関与する遺伝子検索として、セツキシマブ投与前後の検体で臨床効果判定で増悪の診断を得た検体を用いて、次世代シークエンサーを用いた解析で遺伝子同定およびその機能について検討を行った。結果として候補遺伝子が複数あがったが、そのうちの1つであるPIK3CA遺伝子を候補遺伝子とし、それをコードするたんぱく質の発現とセツキシマブの治療効果について免疫組織学的に解析し、有意に治療効果の悪い群で高い発現が認められた。次いで、口腔扁平上皮癌細胞株を用い、コードするタンパク発現の高い細胞株での感受性を検討したところ、細胞株でも低い発現を呈した細胞株と比較し、耐性を示した。そこで、コードするタンパクをノックダウンしたところ、感受性の向上および浸潤能の抑制が示された。同様の実験系としてヌードマウス背部皮下に細胞株を移植し、4週間薬剤投与し、コードするタンパクを抑制し、感受性の変化を確認したところ、同様にセツキシマブ感受性の向上が確認できた。 結論として、PIK3CA遺伝子は口腔癌においてセツキシマブ耐性に寄与しており、この遺伝子の抑制はセツキシマブ感受性の回復に期待できるものと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動物実験系まで予定通りデータを抽出でき、現在論文投稿中であるため。ただ、研究代表者が病欠により休職したため、期間延長を申請した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はこの遺伝子を利用して末梢血を用いて、播種性腫瘍細胞を指標とした治療効果予測を前向き研究で行っていくことを画策している。
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Causes of Carryover |
H30年度に残額が生じた理由について、研究代表者が病欠により3か月間休職したため、その間研究遂行できなかった分、期間延長を申請したため。
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