2018 Fiscal Year Research-status Report
航空力学を応用した3次元ベクトル解析による静脈内鎮静法の至適鎮静レベルの解明
Project/Area Number |
17K17269
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
讃岐 拓郎 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (40533881)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 呼吸 / 気道開存性 |
Outline of Annual Research Achievements |
過去に我々は比較的新しい呼吸療法である高流量鼻カニュラ酸素療法(nasal high-flow oxygen therapy: NHF)が嚥下反射を促進することを明らかにした。NHFは意識下であれば呼吸回数を減少させ、一回換気量を増加させる。他方、自然睡眠下では呼吸回数は変化させないが、一回換気量は減少させることが示されている。NHFは鎮静中の呼吸療法としても使用されるようになり、その臨床的有用性が多く報告されてきている。しかしながら、鎮静中のNHFの使用がどのような呼吸生理学的変化をもたらすかこれまで検討されていない。そこで本年度は、プロポフォール鎮静中のNHFによる呼吸生理学的変化を検討した。すなわち、本年で明らかにされることは、嚥下反射促進作用があるNHFがプロポフォール鎮静中の呼吸にどのような変化をもたらすかという、航空力学を応用した多面的な評価を行うことができる。健康成人ボランティア9名を対象とした。BIS値が60~80になるようにプロポフォールを持続投与した。まずNHFを与えていない状態(NHF 0 L/min: Control)にし、そののちNHF 30、60 L/minをランダムに与え、それぞれの流量における呼吸回数と一回換気量を測定した。NHF 30、60 L/minの呼吸回数は、Control(0 L/min)と比較し、統計学的に有意に減少した(p<0.05)。しかしながら、一回換気量に有意な差は認められなかった(p=0.895)。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
さらに一群(純粋なコントロール:プロポフォール鎮静のみの郡)を追加する予定であるが、2019年度上半期中にはデータ取得出来る予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年得られた結果をもとに現在論文作成中である。2019年度は国際的な雑誌に投稿予定である。
|
Causes of Carryover |
2018年度に人件費・謝金を必要としなかったため、次年度使用額が生じた。2019年度は論文作成の際の英文校正費等も必要になるため、人件費とともに使用する予定である。
|
Research Products
(1 results)