2017 Fiscal Year Research-status Report
MRONJにフリーズドライ超濃縮PRPを応用した新規DDSの開発
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17K17270
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
古賀 喬充 長崎大学, 病院(歯学系), 助教 (50779428)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | MRONJ / 口腔外科 / 口腔組織再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、フリーズドライ超濃縮多血小板血漿(FD-PRP)を徐放担体に浸透させ薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)に伴う病的骨露出部に応用することで、血流改善、創傷治癒促進、感染制御を図る新規ドラッグデリバリーシステム(DDS)を開発することを目的としている。 申請者らはPRPのフリーズドライ保存を実現し、それを基に調製した超濃縮FD-PRPは、等倍FD-PRPより優れた骨再生能をもつことを明らかにした。FD-PRPは密なフィブリンネットワークの形成により、持続的な成長因子徐放効果が期待できるが、本研究では、さらに徐放担体としてゼラチンハイドロゲルを応用することによって、FD-PRPの成長因子徐放効果を増強し、局所保持効果を付与することによってMRONJ治療薬としての開発を試みている。 平成29年度は、FD-PRP徐放性ゼラチンハイドロゲルシート作製法を確立させ、ヌードマウス背部皮膚欠損モデルに移植し、上皮再生能の評価を行うことを目標とした。同時に、これまで申請者らが用いたマウスMRONJ発症モデルをもとに、ヌードラットMRONJ発症モデルを確立する計画を立案した。 FD-PRP徐放性ゼラチンハイドロゲルシートの作製は順調に進展し、背部皮膚欠損モデルへの移植を行った。移植後、一部の個体で創部の安静が保てず移植担体の脱落が見られたが、保持良好であった個体ではコントロールと比較し上皮化の促進が確認できた。今後は創部の安静を保てるよう、改善策を画策している。ヌードラットMRONJ発症モデルの作出は概ね順調に進展しているが、現在のプロトコルではすべての個体でMRONJの発症を確認できていない。そのため今後はプロトコルの微調整を行い、モデルの作出を継続する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
FD-PRP徐放性ゼラチンハイドロゲルシートの作製は順調に進展し、背部皮膚欠損モデルへの移植を行った。移植後、一部の個体で創部の安静が保てず移植担体の脱落が見られたが、保持良好であった個体ではコントロールと比較し上皮化の促進が確認できた。 ヌードラットMRONJ発症モデルの作出は概ね順調に進展しているが、現在のプロトコルではすべての個体でMRONJの発症を確認できていない。そのため今後はプロトコルの微調整を行い、モデルの作出を継続する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、背部皮膚欠損モデルへのFD-PRP徐放性ゼラチンハイドロゲルシート移植とヌードラットMRONJ発症モデルの作出を推進する。 加えて平成30年度は、ヌードラットMRONJ発症モデルの顎骨壊死に対するFD-PRP徐放性ゼラチンハイドロゲルシートの有用性を検討する。これまでの上皮再生の評価と共に、マイクロCTでの3次元的骨再生の評価を行う予定である。
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Causes of Carryover |
平成29年度の研究計画に一部遅延があり、平成30年度も継続する必要がある。主に実験動物購入のための使用を計画している。
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