2018 Fiscal Year Annual Research Report
Delivery of concentrated peripheral blood derived EPCs and functional miRNAs for atrophic salivary gland regeneration
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17K17272
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
野田 さわこ 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (00713900)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 唾液腺 / 放射線障害 / 細胞治療 / 遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、濃縮末梢血血管内皮前駆細胞群(CP-EPC 群)と機能性 micro(mi)RNA を生体内 にデリバリーすることで、化学放射線性萎縮唾液腺に対する効果的な新規細胞治療法を開発することにある。申請者らは、静脈内投与した新鮮骨髄細胞(BMDC)の局所への遊走・生着能や分化能に注目し、それを用いた萎縮唾液腺に対する細胞治療法の開発に取り組んでおり、現在までに動物実験レベルで、その有効性を確認している。本研究は、この基盤技術に核酸医薬デリバリー技術を応用することで、より効果の高い化学放射線性萎縮唾液腺に対する細胞治療法の開発を目指す。 本年度は、前年度に引き続き、障害が確立した照射後4週の時点での細胞投与効果について、詳細な検討を行った。その結果、骨髄MSCと比較して、血管新生の効果は明確であった。CP-EPCに含有されている分化型EPCによって、効果がもたらされたと考えられたため、現在それについて解析を実施しているところである。しかしながら、機能回復の指標である唾液分泌量の回復については、投与効果を認めるものの、障害確立後の時期では効果が十分とは言えず、miRNAのデリバリーのようなさらなる工夫が必要であることが示唆された。一方、細胞増殖や腺房細胞分化に機能するmiRNAの選定については、放射線照射を与えたマウス唾液腺組織のmiRNAの発現解析から抽出したものを、唾液腺細胞の培養にて導入することで、その機能を解析しているところである。これまでに、候補となりえるmiRNAをいくつか抽出しているが、効果的なmiRNAの特定には至っていないのが現状である。そのため、標的とするmiRNAを線維化抑制や抗炎症に関連するものを含めて検討を開始しているところである。
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