2018 Fiscal Year Annual Research Report
Foundation for customized bone regenerative medicine by osteoblast-derived fluid factor
Project/Area Number |
17K17278
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
金氏 毅 宮崎大学, 医学部, 助教 (30611660)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | メカニカルストレス / 骨形成 / 骨再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、患者由来の液性因子を用いた副作用の少ないオーダーメイドの顎骨再生医療を実現することを目的として、骨芽細胞系細胞に圧縮刺激を加えて得られた培養上清(MsCM-OB)の骨形成・骨再生における作用について分子生物学的検討を行った。これまでに、培養細胞に機械的圧縮刺激を加える実験系を確立し、MC3T3-E1細胞、ST2細胞などの骨芽細胞系細胞に圧縮刺激を加えて得られたMsCM-OBは多種多量の液性因子を含み、中でもOPGが、破骨細胞の分化を抑制することを報告した。さらに、MC3T3-E1細胞から得られたMsCM-OBで処理を行うと、容量依存的にMC3T3-E1細胞のALP活性を上昇させた。また、BMP-2とMsCM-OBの両方を含浸させ、凍結乾燥したコラーゲンスポンジをマウス背筋筋膜下に移植するとBMP-2単独で移植したものよりMsCM-OBは大きな異所性骨を形成する傾向にあった。MsCM-OBに含まれる液性因子は破骨細胞分化の抑制のみならず、骨形成を促進する可能性があり、MsCM-OBは新生骨を獲得するための新しい薬剤になり得ると考えられた。また、より未分化な骨芽細胞系細胞の骨髄間質細胞株ST2細胞、より成熟した骨細胞株MLO-Y4をそれぞれ3次元培養し、機械的刺激を加え、MC3T3-E1細胞ならびにST2細胞に対してMsCM-OBで処理を行い、ALP活性を指標に最大の活性が得られる細胞種と至適機械的圧縮力を決定した。その後、MC3T3-E1細胞、ST2細胞、初代培養骨芽細胞(C57BL/6Nマウス頭蓋骨より採取)、初代培養骨髄間質細胞(8~10週齢マウス骨髄より採取)に対して上記で得られたMsCM-OBで処理を行い、骨芽細胞分化能に与える影響を検討したが、明らかな有意差を示すデータは得られなかった。今後、実験系の見直しを含めて更なる検討が必要と考えられた。
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Research Products
(10 results)