2017 Fiscal Year Research-status Report
治療選択を目的とした唾液腺癌のsubtype分類の確立
Project/Area Number |
17K17279
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
吉村 卓也 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 助教 (30726758)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 唾液腺がん / PEP19 / 免疫組織化学 / HER2 |
Outline of Annual Research Achievements |
乳癌のsubtype分類をモデルとして治療選択のための唾液腺癌subtype分類を作成することを目的としているため、まずは粘表皮癌の臨床サンプルを用い、免疫組織化学にて乳癌のsubtype分類に用いられている因子やPEP19などの発現を確認し、各因子の発現やその組み合わせが、予後ならびに臨床病理学的所見など相関するかを検討した。粘表皮癌ではPEP19やHER2の発現の差で大きく予後が異なっていることが分かり、subtype分類に使用できる可能性が示唆された。またER-α、ER-β、ARは発現が少なく、EGFRは多くの症例で発現していることが確認されたがその意義に関しては更なる検討が必要と考えられた。しかし、既に治療薬の開発されている標的分子の発現を認めることから、免疫組織化学による評価を行えば既存の抗癌剤が効率的に使用できる可能性も示唆された。導管癌や腺様嚢胞癌など他の組織型に関しても評価中である。予後のみでなく、組織学的所見や大きさ、転移の有無に関しても検討を行ったが、これに関しては粘表皮癌のみでの評価でなく他の組織型のものも加えて全体での評価を行う必要があると考えられた。 subtype分類作成までは唾液腺癌細胞株を用いてPEP19の機能とそのメカニズムの解析を行う予定としており、現在PEP19の過剰発現やノックダウンによる変化を確認中である。免疫組織化学の結果では予後等に大きな差があるため、細胞増殖、アポトーシス、遊走能、浸潤能、薬剤耐性など更なる検討が必要と考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
粘表皮癌における免疫組織化学の評価がおおむね終了し、予後予測因子となる因子の抽出は進んでいる。細胞実験に関しては適切な唾液腺癌細胞株がないことからまだ検討しか進んでいないためやや遅れている。今後、各組織型の唾液腺癌細胞株の入手が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
粘表皮癌以外の組織型に関しても、同様に免疫組織化学による検討を行い、組織型間の差なども検討予定である。 また、これまでに存在するものだけでなく新たな唾液腺癌細胞株の樹立も視野入れて検討を行う必要があると考えられる。まずは現在保有している細胞株を用いてin vitroの実験を重点的に行いながら、各組織型の唾液腺癌細胞株の入手に関して検討を行う。
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Causes of Carryover |
細胞株の作成やCRISPR/Cas systemなどの利用を検討していたが、現在保有している細胞株を用い、一過性の過剰発現やsiRNAによる実験を行ったので次年度使用額が生じた。 細胞株の購入や作成、遺伝子導入に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Immunohistochemical expression profiles of mucin antigens in salivary gland mucoepidermoid carcinoma: MUC4- and MUC6-negative expression predicts a shortened survival in the early postoperative phase2018
Author(s)
Honjo K Hiraki T, Higashi M, Noguchi H, Nomoto M, Yoshimura T, Batra SK, Yonezawa S, Semba I, Nakamura N, Tanimoto A, Yamada S
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Journal Title
Histology and Histopathology
Volume: 33
Pages: 201-213
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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