2018 Fiscal Year Research-status Report
ナチュラルペプチドの網羅的解析による口腔がん幹細胞特異的再発予防ワクチンの開発
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17K17282
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
宮本 昇 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (80749565)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | がん幹細胞 / 免疫療法 / ペプチドワクチン |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年にMiyamoto S, et al. The Antigen ASB4 on Cancer Stem Cells Serves as a Target for CTL Immunotherapy of Colorectal Cancer. Cancer Immunol Res. 2018 Jan 25で論文報告したがん幹細胞特異的なASB4遺伝子について、口腔がんにおける発現を確認した。これまでの研究の成果を、「臨床免疫・アレルギー科 第69巻」での論文発表、及び国際学会「PEGS Europe Protein & Antibody Engineering Summit 2018」での国際学会発表を行った。がん幹細胞と非がん幹細胞両者のHLA-A24を標的とした網羅的なリガンドーム解析により、がん幹細胞のみに同定されたペプチドIV9をコードする遺伝子であるASB4が、口腔がんにおいても発現されていることが確認され、口腔がんへの応用が期待できる結果となった。また、インフォームドコンセントを十分に行い同意を得た口腔がん患者より末梢血採血を行い、HLA-A24を有するものの末梢血より分離したCTLをIV9ペプチドで刺激、誘導したところ、IV9特異的なCTLの誘導が確認された。以上より、ASB4遺伝子由来のIV9ペプチドが、口腔がんのペプチドワクチンとして使用可能であることが示唆される結果を残すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HLA-A24を有する口腔がん細胞の一部にASB4遺伝子の発現が確認され、今後は障害性の有無についての検討を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
ASB4遺伝子を標的とした口腔がんへのCTLの障害性を確認し、新たな口腔がんを対象としたペプチドワクチンとしてASB4遺伝子由来のIV9ペプチドの可能性を探る。
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Causes of Carryover |
本年は昨年までの購入済み物品でほとんどの実験、研究を賄うことができ、新たに購入する必要が少なく、予算が余ったため、次年度に繰越する。次年度では研究に必要な物品の購入、学会参加・発表、論文報告に使用予定である。
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