2017 Fiscal Year Research-status Report
血漿メタボローム解析による口腔がん術後再発・転移診断法の確立
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17K17291
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
木本 明 神戸大学, 医学部附属病院, 特定助教 (30597167)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 口腔がん / メタボローム解析 / 再発 / 転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔がん術後の再発・転移を示唆する腫瘍マーカーにはSCC 抗原があるが、これは正常な扁平上皮にも存在し、がん以外の疾患でも陽性となるなど、その感度は極めて低い。そこで、本研究ではSCC 抗原に代わる口腔がんの高感度かつ正確な再発・転移診断法を確立することを目的とする。近年、新たなバイオマーカー検索法として、生体試料に含まれる代謝物を網羅的に定量するメタボローム解析が発展してきた。申請者は、口腔がん患者と健常人の血清を比較し、口腔がんバイオマーカー候補となる代謝物を発見した。本研究では、口腔がん患者の術前~術後2年までの経時的な血漿メタボローム解析を行い、再発・転移に関する代謝物を探索する。本研究の成果は、口腔がんの発症機構や治療効果の判定、再発・転移のモニタリング、予後評価につながることが期待される。 今年度は、口腔がん患者の術前と術後比較的早期の血漿サンプルを分析することで、血漿中に含まれる代謝物の全体像とその変動を明確にした。ただし、術後サンプル採取時には、全症例で再発・転移を認めていない。がん細胞の代謝は大幅に変動し、血液中からも盛んにグルコースや脂肪酸やグルタミンなどの栄養素を取り込み、脂質、核酸、タンパク合成を行い、様々な中間産物が血液中に排出される。あらかじめ口腔がん患者の術前血漿中に含まれる代謝物を明確にしておくことや、術後の比較的早期の変動を測定することは、次に計画する術後の経時的な分析の際に非常に重要な情報となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
口腔がん患者の術前術後の変動をみる第一段階が終わり、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
術後の血漿採取の間隔は、術後1、3、6、9、12、15、18、24 ヶ月とし、併せてSCC 抗原の測定も行う。その中で、再発・転移症例の血漿メタボローム解析を行い、非再発・転移群との比較を行う予定である。
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Causes of Carryover |
当初予定していた専用カラムなどの消耗品の購入金額が少なかったためだが、次年度以降に、購入予定である。
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