2018 Fiscal Year Research-status Report
GroEL発現乳酸菌を用いた経粘膜ワクチンデリバリー製剤の開発
Project/Area Number |
17K17296
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
濱野 美緒 (萩原美緒) 日本大学, 松戸歯学部, 助教 (60724820)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | GroEL / 乳酸菌 / 粘膜免疫 / 舌下免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
GroEL発現乳酸菌の作成:CRISPR-Cas9システムは、CAS9と複合体を形成したpre-crRNAは、リピート配列に対して相補的にtracrRNAと結合した後、RNAse IIIによる切断と幾つかのステップを経て短いcrRNAとなる。このcrRNAと相補的に結合した外来DNA鎖はCas9によって切断される。ゲノム編集においては、Cas9とともに、目的の箇所でゲノムを切断するように設計したcrRNAの3‘末端にtracrRNAを連結させたsingle-guide RNA(sgRNA)を用いる。Lactobacillus reuteriの標的部位を選択し、guideRNA発現配列を決定後、クローニングを行い、CRISPRベクターを構築した。人工遺伝子合成によりノックイン用のプラスミドベクターを構築GroEL遺伝子を挿入した。申請者は既に新潟大学より供与されたGroELプラスミドの形質転換株を保有しているためそれを使用した。CRISPR-Cas9遺伝子送達システムにより Lactobacillus reuteriの標的部位の2本鎖RNAを切断後、切断付近の相同配列を含むドナーDNA存在下で相同組み替えによりGroEL遺伝子のノックインを行う。GroELの発現効率は蛍光顕微鏡を用いてのイメージングやシークエンサー、リアルタイムPCRにより確認した。 rGroELと既存の粘膜免疫アジュバントの舌下免疫による抗原特異的免疫応答の測定:マウスの脾臓、唾液腺、及び頸部リンパ節よりリンパ球を分離し、GroEL特異的IgG, IgA抗体産生細胞数をELISPOT法にて測定。GroEL特異的ヘルパーT細胞応答を測定するために、免疫したマウスの脾臓及び頸部リンパ節リンパ球からCD4陽性T細胞を分離して、細胞増殖活性および細胞内染色によるフローサイトメトリー解析によりエフェクターT細胞(Th1, Th2, Th17, Treg)を中心としたサイトカイン産生応答について解析を加えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
rGroELと既存の粘膜免疫アジュバントの舌下免疫による抗原特異的免疫応答の測定においてBALB/cマウスにrGroELを既存の粘膜免疫アジュバント(CpG-ODNs, Flt3 ligand, Colera toxin等)と共に舌下免疫を行い、適切な抗原投与量、投与回数はこれまでの実験結果を参考にし、予備実験を行っているため。
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Strategy for Future Research Activity |
免疫後の体重変化、下痢、炎症の有無、ワクチンの安全性について検討し、舌下免疫後は、マウスから唾液、鼻腔洗浄液、血清を採取しGroEL特異的IgG, IgA抗体価の経時的変化をELISA法にて測定。抗体価については免疫後12か月までの長期間について測定。マウスの脾臓、唾液腺、及び頸部リンパ節よりリンパ球を分離し、GroEL特異的IgG, IgA抗体産生細胞数をELISPOT法にて測定。GroEL特異的ヘルパーT細胞応答を測定するために、免疫したマウスの脾臓及び頸部リンパ節リンパ球からCD4陽性T細胞を分離して、細胞増殖活性および細胞内染色によるフローサイトメトリー解析によりエフェクターT細胞(Th1, Th2, Th17, Treg)を中心としたサイトカイン産生応答について解析を加える。
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Research Products
(1 results)