2019 Fiscal Year Research-status Report
口腔癌間質における線維芽細胞由来G-CSFによる癌進展メカニズムの解明
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17K17302
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
原田 佳和 産業医科大学, 医学部, 助教 (70744100)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | SCC / CAF / G-CSF / G-CSFR |
Outline of Annual Research Achievements |
研究環境の変化により、当初の計画を継続するための環境整備に時間を要した。その間、実施可能な手法での検証を進めた。これまでの結果から、G-CSFが舌SCCの悪性度に影響し、その影響度は腫瘍細胞が発現するG-CSFRに依存すると考えられた。そこで、G-CSFR発現を調整するシグナルを検証するために、G-CSFRプロモーター領域に結合部位があるSTAT3に着目し、舌SCCでのG-CSFRとSTAT3およびMIB-1の発現を免疫染色で評価し、その関連を統計解析した。【方法】舌SCCの切除組織47例を使用し免疫染色を行った。対象を、G-CSFR発現によって「弱発現」群と「強発現」群に分類した。また、STAT3発現によって「Negative」群、「Mild」群、「Moderate」群、「Strong」群、さらにMIB-1 labeling index (cut-off値 32 %)によって2群に分類し、Fisherの正確確率検定で解析した。【結果】腫瘍細胞のG-CSFR発現とSTAT3発現には有意な正の相関を認めた(p= 0.039)。MIB-1発現とは有意差を認めなかった(p= 0.056)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究者の異動に伴い計画に遅れが生じた。今年度に予定していたin vitroでの検証には、実験環境の整備が必要となったが、次年度に開始でき、予定していた計画を完了できる見込みであるため、研究期間を延長した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの結果から、G-CSFが腫瘍細胞の悪性度へ関与しており、その影響度は腫瘍細胞のG-CSFR発現に影響を受ける可能性が高い。さらにG-CSF発現はSTAT3によって調整されていると考えられる。従って今後は、SCC細胞におけるG-CSFR発現による悪性度の変化、またSTAT3によるG-CSFR発現について検証する方針である。
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Causes of Carryover |
異動に伴い研究計画を次年度に延期したため未使用額が生じたが、次年度に使用する方針である。
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