2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the mechanism of cancer progression by fibroblast-derived G-CSF in oral cancer stroma
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17K17302
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
原田 佳和 産業医科大学, 医学部, 助教 (70744100)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | SCC / CAF / G-CSF / G-CSFR |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに切除組織を用いた研究結果から、G-CSFが舌SCCの悪性度に影響しており、その影響度は腫瘍細胞が発現するG-CSFRに依存し、G-CSFR発現と舌SCCの悪性度には有意な関連が見られた。そこで、G-CSFR発現を調整するシグナルを検証するために、G-CSFRプロモーター領域に結合部位があるSTAT3に着目したところ、腫瘍細胞のG-CSFR発現とSTAT3発現には有意な正の相関を認めた。これらの現象のメカニズムを明らかにする目的で、口腔扁平上皮癌細胞株を用いた実験を行った。各細胞株のG-CSFRの発現をウェスタンブロッティングで検出した後、si-RNAによってG-CSFRの発現をknock downして、細胞の増殖能や浸潤能に影響があるかを観察した。また、癌間質線維芽細胞から分泌されるG-CSFの影響を検討するために、寒天培地を利用した三次元培養によって癌細胞と線維芽細胞を共培養して、観察・解析した。その結果、G-CSFR発現抑制によって、癌細胞の増殖能および浸潤能が低下する傾向が見られた。さらに、リガンドであるG-CFRは、癌細胞由来のオートクライン因子、または線維芽細胞に由来するパラクライン因子の双方の由来と考えらえるので、線維芽細胞由来のG-CSFの影響度を評価するために、共培養細胞培養液上清のG-CSF濃度をELISAによって検出し、線維芽細胞との共培養の有無で比較した。 当初の計画に比べて進捗が遅れたが、現在、これまでの結果をまとめた論文作成を進めている。今後は、STAT3を過剰発現させることでG-CSFRの発現増加が見られるかを検討するなどして、上流のシグナルパスウェイを解析する予定である。
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